11月24日放送の「海に眠るダイヤモンド」(TBS系)第5話で、宮本信子演じる「いづみ」が実は杉咲花演じる「出水朝子」ということがわかり、ネット上には「やっぱり」と納得する声が多数あがっている。
しかしドラマの内容的には、父親・辰雄(沢村一樹)のような選民意識も持てず、かと言って端島の島民のほとんどを占める労働者にもなれず、孤独といらだちを抱えていた清水尋也演じる賢将が流した熱い涙が、メインの回だったように思う。
労働者たちから敵意識を持たれていた賢将(清水)だったが、鉄平(神木隆之介)の父である國村隼演じる一平に大勢の労働者とすれ違う中、「お前はオレの息子、みてぇなもんだ」と、石炭採掘で汚れた手で鼻先をつままれ、頬をシュッと撫でられ「汚れた顔」になり、目頭を熱くしながら頭を下げるシーンは素晴らしかった。
このシーンを見て泣かなかった視聴者はきっといないと思う。賢将は東京生まれという設定もあることから、ここは朝子(杉咲)への好意を実らせて結婚し、2人で東京に行ったと思いたい。2018年で株式会社IKEGAYAの社長はいづみ=朝子(宮本)だが、賢将が立ち上げた会社であってほしい。
朝子の鉄平に対する恋は実らなくても、せめて賢将の恋心は実っていてくれたら、次週にどんな悲しい事件が待ち受けていても耐えられるように思う。
(津島修子)