放送中のドラマ「放課後カルテ」(日本テレビ系)で、初めて6年生のクラスを担任している篠谷陽子先生を演じている森川葵。ネット上では「演技上手」と称賛する声があがっているが、私は鼻についてたまらない。篠谷先生が生徒に対し「何でも教えて」「何かあったら言って」などと自身の希望を口にするたび、「お前になんか言わないよーだ!」と反抗したい気分になる。
そのわけは、一生懸命に生徒と向き合っている「私」のほうが、生徒よりも好きなことが伝わってくる感じがするからだ。11月16日放送の第6話で、篠谷先生は頑張りが空回りして倒れてしまったが、これを機に「生徒と向き合っている私が私は好き」という「ナルちゃん感」は薄れるかと思っていた。でも違った。
2014年放送の「ごめんね青春!」(TBS系)で演じていたモテ体質の「あまりん」、16年放送の「プリンセスメゾン」(NHK BSプレミアム)で演じた「沼ちゃん」、18年放送の「賭ケグルイ」(TBS系)で演じたツインテールが似合う「早乙女芽亜里」など、森川が演じた大好きなキャラはたくさんいるのに、今作の篠谷先生と前作の「街並み照らすヤツら」(日テレ系)で演じた夫に愛されている妻の彩には、「ナルシストのにおい」を感じてしまうのだ。もっと丁寧にキャラクターを掘り下げてくれる役者だと思っていたのだが、「ワイルドスピード森川」として超高難易度のスポーツスタッキングや石投げ水切りを習得しているうちに、何かが変わってしまったのかもしれない。
ちなみに私は森川の今カレである森本慎太郎のファンではない。森川の演技の質に変化が訪れる日を待ちたい。
(津島修子)