残すところあと1話となった通称「全決」こと「全領域異常解決室」(フジテレビ系)に「たった1話で決着をつけられるのか?」と心配する声が相次いでいる。
12月11日放送の第9話では、前週に予告されていた「荒ぶる神=スサノオ」が登場した。ヒルコに「呪符」を貼られ操られていた宇喜之民生こと「ウカノミタマノカミ」(小日向文世)に神器で刺され、傷口から大量出血している興玉雅こと「アメノイワトノワケノカミ」(藤原竜也)は、雨野小夢こと「アメノウズメノミコト」(広瀬アリス)と芹田正彦こと「サルタビコノカミ」(迫田孝也)が連れてきた、佐野速雄こと治癒能力を持つ「タケハヤスサノオノミコト」(岩川晴)によって、傷口を塞ぐことに成功した。前週の予告を見て「スサノオは荒波警部(ユースケ・サンタマリア)」と予想する声が多かったが、その予想は見事なまでに裏切られた。
さらにこの日の放送終盤では、現在の「クソみたいな世の中」は神様が人間を甘やかしているからだ、新しい世界に行こうと言う二宮警部補(成海璃子)から、小夢(広瀬)は「呪符」を貼られてしまい、あたかも二宮=ヒルコ(成海)のような余韻を残して第9話は終了。第10話の予告では「僕がヒルコです」と興玉(藤原)が言っているシーンも映し出されたため、ネット上には「二宮がヒルコ?それとも興玉がヒルコ?」と混乱している声が相次いでいる。
しかし私は、二宮も興玉もヒルコではないと思う。もちろん寿正(野間口徹)もヒルコではないし、「全決」メンバーもヒルコではないだろう。荒波警部がスサノオではないことがわかった今、「全決」に捜査を依頼してくる内閣官房国家安全担当審議官・直毘吉道(柿澤勇人)こそがヒルコではないだろうか。この名前から、穢れを払い、禍いを直す神である「直毘神(なおびのかみ)」を連想しやすいことから、「新しい世界の神」になろうとしている気がするのだ。
ドラマの中で主要キャストの1人なのに、直毘だけバックボーンや考えていることがこれまでに何も明かされていないことも何だか怪しい。さらにこの日の放送で、「全決」メンバーが直毘を訪ねて部屋で待っていると、直毘が部屋に入ってきた時に小夢(広瀬アリス)が視聴者と一緒に「呪符」が首の後ろに貼られていないか確認したのに対し、「情報提供者にはくれぐれもお気を付けください」と興玉が直毘の肩に手を置いた時、やけにその部分が大きく映し出されたことも意味深で、興玉が直毘に何かを仕掛けたようにも見えた。
ここまで来ると「直毘=ヒルコでは?」と思う気持ちが止められない。次週の最終回第10話には、溝端淳平演じる日野克己、プロレスラーの真壁刀義演じる大和田光男という新キャラが登場するというから、はたしてこの2人は「全決」メンバーと同じく神なのか、それともヒルコの味方なのか。12月18日よ、早く来い!
(森山いま)