稀代のスーパースターが日本に上陸となるか。今夏にサウジアラビアのアル・ナスルFCとの契約が満了するポルトガル代表FWクリスティアーノ・ロナウドの動向に注目が集まっている。
ロナウドは2022年11月にイングランドのマンチェスター・ユナイテッドとの契約を解除し、アル・ナスルへ2年半の契約で加入。39歳という高齢ながら、同クラブでも公式戦83試合74ゴール18アシストという超人的なパフォーマンスを見せ、今なお、世界屈指のアタッカーとして君臨し続けている。
アル・ナスルとの契約は残り半年。世界中がロナウドの次なる挑戦に注視している状況だが、その新天地候補の中には日本のJリーグクラブも含まれているというのだ。韓国のスポーツメディア「Sportal Korea」によれば、浦和レッズ、サンフレッチェ広島、ヴィッセル神戸が、スーパースターとの契約に関心を示しているといい、すでに「オファーをした」と報道。これを「大きな驚き」だとして、アグレッシブなJクラブの動きを伝えている。
現時点ではアル・ナスルとの契約を延長する可能性も残されているロナウド。2026年の北中米W杯への出場も期待される中、はたしてJリーグへ参戦する可能性はどれほどあるのだろうか。
「これはJクラブだけに限った話ではないですが、ロナウドとのサインに向けては、とてつもなく大きな壁となるのが巨額の年俸をどれだけ下げられるかという点です。現在ロナウドはアル・ナスルから2億ユーロ(324億円)もの年俸を受け取っており、この莫大な数字は欧州の列強クラブですら交渉をためらうほどの規模で、契約締結が一筋縄ではいかないリスクをはらんでいます。もちろん、これは“サウジ基準”の年俸であり、他国のリーグへ移籍する場合に同じぐらいの金額を得ることはほぼ不可能。その際、新たなクラブがどれだけロナウド側に譲歩させられるかが鍵になるでしょう。そして、もう一つの壁は、ロナウド自身がお金以上にリーグのレベルや国際的な競争力を重視している点です。やはり26年のW杯出場を目標にしている以上、トップレベルから逸脱したリーグへ移籍することはポルトガル代表メンバー入りに悪影響をもたらす可能性があるので、非現実的と言えます。その点、6月開催のFIFAクラブW杯に参戦できる浦和レッズや、アジアCLへの出場資格があるヴィッセル神戸などは、ロナウドを説得する上でのわずかな強みを有していることになりますが、引く手あまたのスターがJリーグへの参戦自体を良しとするかどうかは、現時点では望み薄と言わざるを得ないでしょう」(スポーツライター)
また、“ロナウドへオファーした”と報じられた浦和レッズのスポーツディレクター・堀之内聖氏は、1月7日の新加入選手記者会見で同ニュースについて聞かれ「“へぇ~…”って感じです 笑」と答えており、信憑性の低さを示唆していたように思えた。
とはいえ、ヴィッセル神戸については、これまでにスペイン代表のレジェンド、アンドレス・イニエスタや、ドイツの点取り屋ルーカス・ポドルスキといったスターを獲得してきた大きな実績がある。
Jリーグでも2連覇を果たすなど、勢いに乗るだけに、もしも“ロナウド獲り”が叶うとすれば、日本では神戸上陸が最も期待されるシナリオなのかもしれない。
(木村慎吾)