Q:保育園のママ友とランチをしていたら、2歳半の娘が「うちのパパとママが“はだか”で寝ていたんだよ」と突然言い出しました。そんなことを言うのはいけないことだと伝えたくて、わき腹をつねったら子どもが私を見て「ママ、痛いよ」と言ったけど、もっと怖い顔をしてもう一度今度は強くつねりました。口をつぐんでくれたから、きっとわかってくれたんだと思います。
A:まず、子どもをつねるのは止めましょう。つねる行為は、ややもすると虐待にエスカレートしやすく、強くつねった場合は叩くよりも心の傷になる恐れがあります。時には憎しみという感情さえ与えかねない行為です。
子どもの心理としては“どうして叱られたんだろう? みんな笑ってくれると思ったのに…本当のことを言ったのに痛くした!”と、混乱します。しかも、つねられたことで、子供どうしで同じような場面に遭遇した場合、他の子どもをつねってしまう危険性もあるので止めてください。
そして、子どもがなぜ、こんな発言をしたのかを考えてみましょう。単純に、両親の仲のよさを自慢したかっただけだったかもしれません。無邪気な気持ちで話した子どもは、突然つねられてびっくりしたことでしょう。押し黙ったのは、つねられたところが痛かったのと同時に、心も痛かったからです。
このお母さんはきっと、突然の発言にびっくりして、とっさの行為で子どもをつねってしまったのかもしれません。
突拍子もない行動をとるのは、小さな子どもにはよくあることです。子どもはこういう発言をするのだ、という心構えを持って、突然でも対応できるように準備をしておきましょう。この場合なら、「○○はパパとママが仲よしって言いたかったのよね」と一言で終わらせておくのが無難です。そして帰宅したあとに「ネンネしている時のことは、お家のなかの秘密なの。○○もおねしょしたとか、お布団のなかでプーッてオナラしちゃったことをみんなの前で言われたくないでしょ。家族の秘密だから内緒にしようね」と言い聞かせましょう。
子どもは秘密が大好きです。大好きなママと秘密を共有できて喜ぶと思いますよ。そして、とっさのことだったとはいえ、つねってしまったことは子どもにきちんと謝ることが大切です。
(監修・ストレスケア日比谷クリニック 酒井和夫院長/取材・文 李京榮)