【誰よりもつよく抱きしめて】久保史緒里の献身的演技に涙腺が緩む純愛物語!/前田有一「映画 ハマるならこの1本」

 新堂冬樹の同名小説を実写化した純愛映画。メガホンを取るのは「ミッドナイトスワン」(2020年)やネットフリックスのドラマ「全裸監督」など人間ドラマに定評ある内田英治監督だ。ヒロインを演じる久保史緒里は、乃木坂46のメンバーで、同じく主演を務めるのは、ダンス&ボーカルグループ「BE:FIRST」のメンバー・RYOKIとしても活躍する三山凌輝。さらに、韓国の人気グループ「2PM」のファン・チャンソンの参加で韓流ドラマ的な魅力も加わった。

 愛する人に触れられない女性と、愛を感じたことのない男ー。真実の愛は物理的な接触なしに成立するのか。幾分、哲学的なテーマでカップルの危機をスリリングに描く。

 絵本専門店で働く桐本月菜(久保)は、恋人で絵本作家の水島良城(三山)と同棲中。だが良城は強迫性障害による潔癖症に苦しんでいて、2人は触れ合うことが一切できない。月菜の説得で治療を決意した良城だが、病院で初めて同じ病気を持つ女性・千春に出会い意気投合する。その姿に、強烈な疎外感と不安、嫉妬を感じた月菜の前に、「恋人と触れ合っても何も感じることができない」と語る韓国人の好青年、イ・ジェホン(ファン)が現れる─。

 主要キャスト3人の圧倒的な美形と演技力が見事だ。原作では月菜と良城は夫婦だったが、映画版は同棲カップルに変更したことで、2人の関係が、すぐに壊れてしまいそうな不安感が増幅されている。中でも、強迫神経症で苦しむ恋人を周囲の偏見から身を挺して守り、無言で一筋の涙を流す久保の献身的な演技には、こちらの涙腺も緩まされたほど。

 本当の幸せのためには、誰を選び、どんな選択をすべきなのか。心の琴線に触れる純愛物語だった。

(2月7日=金=より全国公開、配給 アークエンタテインメント)

前田有一(まえだ・ゆういち)1972年生まれ、東京都出身。映画評論家。宅建主任者などを経て、現在の仕事に就く。著書「それが映画をダメにする」(玄光社)、「超映画批評」(http://maeda-y.com)など。

Asa-Jo チョイス

  1. 232819

    冬のインナー・レビュー【無印良品】の「あったか綿インナー」の着心地は?

    『無印良品』の衣類といえば、季節を問わず心地よく着られる定番アイテムが多数売られていますよね。中でも、肌寒い今の時期に確保しておきたいのが“あったか肌着”です。無印の「あったか綿インナー」は、天然素材のよさを生かした機能 … 続きを読む 冬のインナー・レビュー【無印良品】の「あったか綿インナー」の着心地は?

  2. 232817

    【ユニクロ】の「スウェットワイドパンツ」が爆売れのワケ

    シーズンごとに何かしらのヒット商品が生まれる『ユニクロ』ですが、今シーズンは「スウェットワイドパンツ」がとっても人気なようです。爆売れしている理由を探ってみましょう。■スウェットワイドパンツとは?スウェットワイドパンツは … 続きを読む 【ユニクロ】の「スウェットワイドパンツ」が爆売れのワケ

  3. 229375

    【ユニクロ】ヘビロテ確実!?この冬オススメのセーター3選

    冬はお気に入りのセーターが欲しくなりませんか? そんな1着があれば“ヘビロテ”してしまいますよね。とくに、着心地がよくあったかくて見た目もよいセーターだと、手放せなくなりそう。今回は、そんなお気に入り候補に上がりそうな『 … 続きを読む 【ユニクロ】ヘビロテ確実!?この冬オススメのセーター3選

注目キーワード

ランキング