放送中のドラマ「秘密~THE TOP SECRET」(カンテレ・フジテレビ系)について、SNSで賛否両論が巻き起こっている。清水玲子氏による原作漫画は「メロディ」(白泉社)に掲載され、2012年には「文化庁メディア芸術祭」のマンガ部門優秀賞を受賞した名作だ。
ドラマでは、科学警察研究所の法医第九研究室、通称“第九”を舞台として、死者の生前の記憶を映像で再現する技術を使い、解決不可能だった事件の真相を解き明かしていく刑事の苦悩を描く。死者の生前の記憶を“見て”事件を解決するストーリーが斬新なSFサスペンスとなり、ドラマ版も高評価を得ている。
「原作漫画が持っているスリリングな展開を、しっかりと映像化できていてドラマ版は非常に見応えがあります。2016年に実写映画『秘密 THE TOP SECRET』が制作されていますが、こちらは、演出や脚本が不評で成功とは言いがたい結果でしたが、ドラマ版は、原作に忠実にセットを組み、映像を作り上げ見ていてストレスを感じない作品になっていますよ」(映画ライター)
ドラマ「秘密」は、主人公・薪剛を板垣李光人が、相棒の刑事はHey!Say!JUMP・中島裕翔が務め、2人のW主演ドラマとなっている。板垣も中島もしっかりとした演技を見せているが、原作ファンからは“苦言”がSNSで書き込まれてしまっているというのだ。
「原作漫画には熱狂的なファンが多く、映画版を制作した時と同じくSNSやレビューサイトなどでドラマ版にも批判の声を書き込んでいるんです。特に板垣が演じる薪剛が原作のイメージと違うと叩かれています。薪のルックスにおけるモデルはhyde(L’Arc-en-Ciel)だとされているので、板垣のビジュアルとはかなりイメージが違い、ファンは激怒しているというわけなんです」(民放関係者)
さらに、原作ファンの間ではストーリーの設定を“悪く変えてしまっている”とも。
「主要キャラとして登場する貝沼清孝が、ドラマ版では原作にないキャラ設定で不満なようです。國村隼が演じているのですが、ドラマ版では大学教授で脳科学の権威となっています。ところが、原作では、この貝沼は快楽殺人犯で凶悪な犯罪を繰り返す役。原作とあまりにも設定が違いすぎて、ファンを激怒させているんです。また、他にも細かい設定で変更箇所があり、原作の良さを消しているのだとか。ドラマ化には期待していた原作ファンも多かったようで、裏切られたとSNSでバッシングを行っています」(前出・民放関係者)
ドラマ「セクシー田中さん」(日本テレビ系)の騒動以降、ますますドラマ化する際の“原作改変”がな何かと問題視されるようになってきているが、この先の展開で、ドラマ版「秘密」の改変もある程度仕方がないと受け入れられるようになっていくかどうか。
(渡邊伸明)