「吉田ウーロン太」という名前にピンと来た人は、おそらくドラマや映画が好きな人だろう。
今クールのドラマに限って言えば、まず、佐々木希主演「地獄の果てまで連れていく」(TBS系)では、主人公の紗智子こと幸和子(佐々木)の父親・啓介を演じている。ある事件に巻き込まれ自殺したとされている啓介(吉田)だが、実はモンスター殺人鬼・麗奈(渋谷凪咲)によって殺害されたことが作中では判明している。
比嘉愛未と岩田剛典W主演「フォレスト」(テレビ朝日系)では、3年前に楓(比嘉)の母・鈴子(松田美由紀)が経営するホテルのビュッフェで起きた「食中毒事件」の原因とされるローストポークの生産者・中西精肉店の店主を演じている。店主(吉田)は事件を苦に自殺したが、ローストポークに毒物を混入した犯人の存在が急浮上。純(岩田)がその犯人ではないかと思わせる展開となっている。さらに唐沢寿明主演「プライベートバンカー」(テレ朝系)では、セレブ一家・天宮寺家の次男で国会議員の昴として、空気の読めないボンボンぶりを発揮している。
吉田は役者だけでなく、声優としても「ピーターラビット」のいとこのベンジャミンを担当したり、お笑いトリオ・フラミンゴのメンバーとして、ネタ見せ番組の先駆けとして知られている「爆笑オンエアバトル」(NHK)や「エンタの神様」(日本テレビ系)の常連だったり、脚本や演出を手掛けることもある多才な人物だから、各所で重宝されている。インパクトのある芸名は、本名の字画が悪いことを知り、芸人として売れていない時間がたっぷりある時に200パターンほど考え、とても金運が良い「吉田ウーロン太」に決定。それ以降ドラマ出演が増え、本名の吉田敬太に戻すタイミングを失い現在に至るそうだ。
多才であることをコロンとした体形と屈託のない笑顔で包んだ吉田の活躍は、まだまだ続きそうだ。
(津島修子)