みなさんは「串カツといえば大阪」という先入観を持っていませんか?しかし、筆者の見解は少し違います。腫れぼったい厚い衣の牛、豚、海老、ウインナー、餅、チーズベーコンなどなど中身で楽しませて、大阪人の血液であるソースにどっぷりとつける。これだけが串カツかといえば、決してそうではありません。
風光明媚な京都先斗町という土地柄で食す、上品な味わいの様々な厳選食材を端正な技術で揚げる薄衣の芸術的串カツ。商談やデートに最高のひとときを過ごすことができる…今回はそんな技を頬張れる、「串揚げ こぱん」(京都府京都市中京区木屋町三条下ル材木町180-1 1F)=予算:(夜)6,000~8,000円=にて、京風串カツの魅力について触れていきたいと思います。
予約をしていた午後6時と同時に入店。暖簾をくぐると、ワインセラーが置かれた広々としたカウンターテーブル席の店内。オシャレな空間で、串カツを頂けるのはいいですね。
とりあえず、オススメのスパークリングワインからスタートすればいいのでしょうが、まずはビールで乾杯。すぐさま、何も言わずに生野菜(キャベツ、大根などのスティック野菜)が出てきます。塩、オーロラソースで食べるのが定番のようです。
続いてお店のシステムを説明され、「和牛ヒレはいかかがですか?」とのご提案。「はい」と即答すると、すぐに油をクルクルと切って、出てきたのがオススメの1本「和牛ヒレ」でした。ひと口で頬張るとやわらかさと口に広がる肉汁に昇天! その後の食材にも期待を持てます。
ビールで生野菜を楽しんでいると、出てきたのは「烏賊の飛子のせ」。プチプチとした食感と烏賊の歯ごたえの調和が面白い。スタンダードコース15本。はたして、このあと13本でどのような串カツを堪能できるのか期待が膨らむばかりです。
続いては、今日の名物・湯葉を使った「海老しんじょう」、「いくらが乗った贅沢なサケ」の串揚げ、じゃがいものホクホク感がうれしい「インカの目覚め」などが続きます。もう舌が打ち震えるほどのおいしさ。
飲み物をお店のオススメであるスパークリングワインに替え、ひとつひとつのネタを存分に楽しみます。あーうまい!
そこからは定番の「豚串」、「京野菜賀茂なすのジュレかけ」、「貝柱のムース仕立て」と続きます。スバークリングワインが止まらない!
もう1杯頼めば、「ハマグリ」や「万願寺とうがらしの肉詰め」など他の串カツ屋ではお目にかかれない逸品ばかりが出されます。職人さんの細やかな仕事ぶりが窺えました。
〆には柚子のシャーベットを頂き、いやはやご馳走様でした。皆さんも京都に旅にきた際はぜひお立ち寄りください。絶対に後悔しませんよ。
(丸野裕行)
●プロフィール
まるの・ひろゆき:ライター、脚本家、特殊犯罪アナリスト。1976年、京都市生まれ。フリーライターを生業としながら、求人広告制作会社のコピーライター、各企業の宣伝広告などを担当。ポータルサイト・ガジェット通信では連載を持ち、独自の視点の記事を執筆するほか、原作者として遠藤憲一主演の映画「木屋町DARUMA」を製作。文化人、タレントとしてテレビなどにもたびたび出演している。