3月2日放送のNHK大河ドラマ「べらぼう~蔦重栄華乃夢噺~」第9話「玉菊燈籠恋の地獄」に対し、ネット上には「今日は簡単だった」「正面から歩いてきてもらえるとわかりやすいよね」「いつも今回くらいしっかりと映してくれたらいいのに」といった、知らない人には何が何やら意味不明な声があがっている。
実はこの声、1990年代に大ブームとなった絵本「ウォーリーをさがせ!」のように、「べらぼう」に尾美としのりが出演しているシーンを探す人々の感想なのだ。出演者クレジットには「平沢常富 尾美としのり」と出てくるものの、「オーミーをさがせ!」と言いたくなるほど、尾美の出演シーンがどこなのかわからないと話題になっているため、尾美が出演していたシーンを見つけて丁寧に解説してくれているネット記事も少なくない。
ちなみに第9話では、小田新之助(井之脇海)がうつせみ(小野花梨)を吉原から足抜けさせるために知り合いの町娘を使って通行切手を入手し、その町娘を見送った後に吉原大門から中に向かうシーンで、吉原の中から出てくる笑顔の尾美を発見できる。このまま年末の最終話まで「オーミーをさがせ!」状態でもなかなか楽しいのだが、番組公式ガイドブックによると、3月23日放送の第12話で尾美演じる平沢は、横浜流星演じる蔦重と吉原で出会い、知り合いになるようだ。
尾美演じる平沢は、出羽国久保田藩(秋田藩)の藩士で、江戸城の留守居という現代でいえば外交官を務めている。その一方で「朋誠堂喜三二(ほうせいどうきさんじ)」の筆名を持つ戯作者であり、「手柄岡持(てがらのおかもち)」の筆名で狂歌も発表しており、のちに蔦重にとって「最高かつ最強の協力者」となることが明かされているので、「オーミーをさがせ!」を楽しめる時間はあと少しのようだ。
(津島修子)