最近の就活といえば、以前と比べていろいろなことが変化しているようです。その1つがインターンシップ。企業が積極的にインターンシップを実施し始めたのは1997年頃のことで、ちょうど就職氷河期時代に当たります。一定期間、職場で就業体験ができるインターンシップは自分のキャリアを展望する際の大きなヒントになりますが、近年は新たに「オープンカンパニー」というものが登場したのだとか。いったいどういう制度なのか、詳しくみていきましょう。
■オープンカンパニーとは?
オープンカンパニーは、2023年度にインターンシップ制度が変更されたことで新たに登場したキャリア形成支援プログラムのこと。25年卒採用から実施されています。
具体的には大学などのオープンキャンパス企業版といった感じで、学生や保護者が半日から1日参加することができる企業や業界の説明会やイベントです。インターンシップと異なり就業体験はなく、就活生の他に大学1・2年生も参加できる点が特徴です。始まったばかりということもあってまだ浸透はしていませんが、今後は実施企業が増えていくとみられています。
カレンダーシェアアプリ『TimeTree(タイムツリー)』を手がけるTimeTree未来総合研究所の統計データによれば、同アプリのスケジュールに予定として登録されたオープンカンパニーの数は、25年卒では全体的に少ない傾向にあった一方で26年卒では6月頃から登録数が増え始め、9月をピークに伸びて徐々に定着し始めているそうです。
■オープンカンパニーの事例
ところで、オープンカンパニーを知らない世代からすれば、「どんなことをするの?」と気になりますよね。実施した企業事例をみてみましょう。
●西松屋のケース
ベビー服などを販売する西松屋は、2024年に実施したオープンカンパニーでオリジナル製造小売業体験ゲームを開発して提供していました。ゲームを通して製造小売業を体験して学び、“ビジネスパーソン脳”をGETするという面白い内容だったようです。参加者には1次面接確約などの特典も与えられたようですよ。
●ニトリのケース
家具や生活雑貨を販売するニトリホールディングスは、26年卒のオープンカンパニーをYouTube視聴型ライブで実施。経営トップが、ニトリの裏側から流通業の変選、今後のニトリまでを語る予定とのこと。リアルタイム質問会も開催するそうです。オープンカンパニーといっても、トップの話を聞けたり直接質問できたりするのは珍しいかもしれません。
いかがでしたか? オープンカンパニーが始まったことで、学生時代から企業を選ぶチャンスが広がっているようですね。これからは就活生も企業もウィンウィンの関係になっていくといいですね。