2004年アテネ五輪女子マラソン金メダリストの野口みずき氏がMCを務める“陸上専門”YouTubeチャンネルが「東海テレビ陸上部 野口みずきのランナーズハイ」だ。
このチャンネルに、1992年バルセロナで銀、96年アトランタで銅と、五輪2大会連続でメダルを獲得した女子マラソンの有森裕子氏が出演(3月20日付)、意外すぎる「五輪ウラ話」を打ち明けた。
バルセロナ五輪のことだった。視力の弱い有森氏は、この大会で初めてコンタクトレンズを着用して出場…するはずだった。ところが、ホテルの洗面所で水を流しながら着けようとしたところ、間違えて片方を流してしまったそうだ。
スペアはない。しかし、メダリストのメンタリティとはすごいものだ。もう片方を着用して鏡に向かい「落ち着け」とまずは冷静になり、「何が見えればいい? 道と給水、道と給水」と、自分に暗示をかけるように言い聞かせたというのだ。
「それまで本当は私、脚が痛かったの、前日まで鍼打ったりしたのに、それも全部すっ飛んじゃった。脚の痛みなんてまったく意識なくて、片方しかないコンタクトで(集中して)スタートラインに立ったの」
その状態で銀メダル獲得とはお見事と言うしかないが、「だから銀なんだよ。両方入ってたら金じゃん」と冗談めかして口にする人もいたそうだ。
ちなみに、MCの野口みずき氏にもウラ話があった。五輪前にドイツで合宿したそうだが、ホテルのエアコンが効きすぎていて風邪をひいてしまったというのだ。
「記者会見で声がガラガラでした。でも、風邪ひいちゃってもういいやっていう感じになれたから、初めてのオリンピックでも緊張もほぐれていい意味で開き直れた」
その結果が金メダル。試練は人を強くするようだ。
(所ひで/YouTubeライター)