阿部寛が主演を務める日曜劇場「キャスター」(TBS系)が4月13日に放送され、初回の平均視聴率が14・2%(ビデオリサーチ調べ、関東地区)と好スタートを切った。阿部は、報道番組の制作現場を舞台に、闇に葬られた事件を暴いて裁く型破りなキャスターを演じる。前クールは松坂桃李主演の「御上先生」で、プライム・ゴールデンタイムの連続ドラマで視聴率、TVerの見逃し配信ともに常に上位にランクイン。阿部はそのバトンを受け取る形で、日曜劇場に23年7月期の「VIVANT」以来2年ぶりに“帰還”した。
共演者は永野芽郁、道枝駿佑(なにわ男子)、北大路欣也、高橋英樹ほか豪華な布陣がそろっている。しかも、初回視聴率が「御上先生」の12・2%をも上回っており、この先も右肩上がりになること必至の情勢だ。
同作に、テレビ局内の清掃員として出演しているのはヒコロヒー。前クールでは松倉海斗(Travis Japan)の民放初主演作となったドラマ「トーキョーカモフラージュアワー」(テレビ朝日系)で、脚本を担当した。今年2期目の連投で上昇気流は止まらない。ヒコロヒーといえば、「女芸人No.1決定戦 THE W 2021」で決勝戦に初進出した演技力は筋金入りで、同年にドラマ「生きるとか死ぬとか父親とか」(テレビ東京系)で民放連ドラデビュー。以降は翌22年に月9の「ミステリと言う勿れ」(フジテレビ系)、翌23年に「だが、情熱はある」(日本テレビ系)、昨年は「さよならマエストロ~父と私のアパッシオナート~」(TBS系)ほか、多くの人気ドラマに出演していた。
ターニングポイントは、あの大人気女性グループのメンバーとの出会いだという。芸能ライターが語る。
「日向坂46の元メンバーだった齊藤京子です。グループの中でマイペースすぎるために“要注意人物”扱いされたこともあった齊藤を、見事な手綱さばきでアイドル・女優として開眼させたのが、2人でMCを務めている深夜のトークバラエティ『キョコロヒー』(テレ朝系)で、ヒコロヒー自身にも女優としてのオファーが次々とかかるブレイクのきっかけにもなったんです。21年4月に始まった番組は、開始からわずか半年でオムニバスバラエティ『バラバラ大作戦』枠内の番組の視聴者投票でグランプリに輝き、放映時間が昇格。23年には合作プロジェクトから齊藤とヒコロヒーによる『キョコロヒー』として、シングル『After you!』をリリースするまでになりました」
「国民的地元のツレ」というキャッチフレーズで世に出て、庶民派、愛煙家、借金あり、スナックでバイト、男運なしほか、過去を包み隠さなかった。所属する松竹芸能からは昨年にキンタロー。、みなみかわ、34年間も在籍したよゐこ・濱口優も退所して、「脱竹」(だっちく)という俗語が生まれた。中堅芸人が手薄となる中、ヒコロヒーは稼ぎ頭となった。人気ドラマのキャストに再び抜擢されたことで、その地位は安泰の域に入ったと言える。
(北村ともこ)