「とんねるずとは、昭和のYouTuberなんですよね。要は、アマチュアリズムを極めたアマチュアのプロフェッショナルであり、芸人とは一線を画す存在…」
お笑いコンビ「とんねるず」(石橋貴明、木梨憲武)を自身のYouTubeチャンネル『長谷川良品「テレビ悲報ch」』(4月17日)で、こう分析したのは、元放送作家の長谷川良品氏。さらに続ける。
「まあ、あくまでもとんねるずのそれは芸ではなくてノリなんですよね。そのスタンスは奇しくもフジテレビの『楽しくなければテレビじゃない』というスローガンと合致して、当局のアイコンとして同質化し、一時代を築いたわけで、フジの広報担当という見方もできるわけです。(中略)とんねるずとは、フジのスローガン同様、面白い存在ではなく、楽しい存在であったということ。これは些細なことのように感じるかもしれませんが、実はハードルを下げるための大きなイメージ戦略になります」
1985年1月19日に生放送された深夜のバラエティ番組「オールナイトフジ」(フジ系)で、とんねるずが「一気!」を歌唱中に、石橋がテレビカメラを転倒させた事件は、ある意味、とんねるずの名前を世に売るきっかけとなった。あれも石橋のノリだったであろう。今ならさしずめ迷惑系YouTuberといったところか。
石橋といえば、「食道がん」発覚後。「週刊文春電子版」(4月9日)から10年以上前に飲食店で起きたとされる下半身露出事件が報じられ、謝罪コメントを出すとともに、「咽頭がん」併発も伝えた。病には同情するが、行いには同情の余地もない。
とんねるずの代表曲「情けねえ」(1991年5月29日リリース)。本曲で「第22回日本歌謡大賞」大賞を受賞し、NHK紅白歌合戦に初出場を果たした。まるで34年後の石橋自身に向けて歌った曲のようだ…。
(所ひで/YouTubeライター)