紫外線を強く感じるようになってきた今日この頃。暑い夏が近付く中、紫外線対策にも力が入ります。日焼け止めや帽子、日傘などのグッズを準備している人も多いことでしょう。でも、盲点になりがちなのが「目」。実は、肌だけでなく、目にも紫外線対策が必要なんです!
■意外と知らない紫外線による「目」のリスクとは?
眼鏡市場の『紫外線対策サングラス事業戦略発表会』に登壇していた、さいたま伊藤医院 眼科医で医学博士の有田玲子医師によれば、「近年、紫外線の影響は目にとって深刻な状況にある」のだとか。
気象庁が発表しているUVインデックス(紫外線量)について、「3」以上は日差しを避けるよう、「8」以上は外出を控えるよう通達されていますが、目に関しては、「3」以上で目が日焼けし、「8」以上で目が火傷する状態になるとのこと。2023年は「8」以上の日が80日を超えていたそうです。
■サングラスは99%以上の紫外線をカットする!?
有田医師が目の紫外線対策として進めているのがサングラスです。「サングラスは99%以上の紫外線をカットできるので非常に有効」とのこと。また、「帽子や日傘は約50%程度のカットであることが多く、目に対して十分ではない」そうです。
「紫外線は大きく分けてUVAとUVBがありますが、UVAの波長は長く、目の奥まで届き水晶体に影響を与えます。肌の場合、シワやたるみを引き起こしますが、実は目に対してはさらに深刻です。日本の失明の第2位の原因といわれる『加齢黄斑変症』のリスクファクターでもあるのです。UVBの波長は短いですが、肌の場合はシミやソバカスにつながり、目については涙や角膜に影響を与え、ドライアイや角膜炎、結膜炎、翼状片などの原因になります」
「サングラスは将来の視力を維持していくために重要です。ある研究で、目の紫外線対策をした群としていない群で比較したところ、していない群では大人になってからの白内障のリスクが約2倍高いと報告されています」(有田医師)
■サングラスを選ぶポイントは?
有田医師によれば、サングラス選びにはポイントがあるそうです。次の点に注意して選ぶとよいようです。
●紫外線カット率が99%以上のものを選ぶ
●レンズの色ではなくUVカット機能の有無を確認する
●顔にしっかりフィットし、隙間から紫外線が入らないデザインを選ぶ
レンズの色は、薄い色のほうがオススメだとか。その理由は、濃い色のサングラスをかけて暗い場所に行くと、目が光を多く拾おうとして瞳孔が大きくなるので、紫外線が水晶体を通り、網膜まで透過してリスクが高くなるから。これは覚えておきたいですね。
サングラス商品の例として、紫外線を99.97%カットする上に、裏面にもUV反射防止機能がほどこされた「パーフェクトUVブロック」を使った眼鏡市場のサングラスは注目といえそう。また、ユニクロでは紫外線を99%カットするUVレンズを搭載し、オシャレなデザインの「サングラス/クラウンパント」を販売しています。
紫外線対策は、肌だけでなく目にもほどこすことが大切なんですね。自分の将来の視力や目の健康のために、これからは意識してくださいね。