5月22日放送の「あさイチ」(NHK)に出演した中島歩の非常にゆっくりした話し方と人柄に注目が集まっているようだ。
この日に放送されたNHK朝ドラ「あんぱん」第39話では、中島演じる若松次郎がのぶ(今田美桜)の写真を持参して朝田家を来訪。20日放送の第37話で、のぶと次郎が見合いするエピソードが描かれた際には「結婚する気はない」という同じ気持ちを確認していた2人だったが、ふとした時にのぶの笑い声や笑顔を思い出すようになったという次郎。朝田家に「のぶの写真を持ってきた」と説明していたが、実はのぶに「私の生涯の伴侶になっていただけませんか?」とプロポーズしに来たのだ。のぶは「お気持ちは…ありがたいがですけんど、今は…やはり決心がつきません」と返答。次郎は「のぶさんの気持ちが変わるまで、僕は待ちます」と伝え、朝田家を去っていった。
このシーンには吉田鋼太郎演じるのぶの祖父・釜次も同席していたのだが、実は2014年上半期放送のNHK朝ドラ「花子とアン」では、仲間由紀恵演じる葉山蓮子の夫を吉田、蓮子と駆け落ちする書生を中島が演じていたため、ネット上には「恋敵の2人が同じ場面に!」「共演NGな2人が…」「別のドラマとはいえ同じ朝ドラだからなのか2人が一緒でハラハラする」と言った声が相次いだ。
そんな「あんぱん」第39話の放送直後に始まった「あさイチ」に生出演した中島は、博多華丸大吉からワンテンポ遅れたタイミングで「おはようございます」と頭を下げ、まずはごあいさつ。大吉がドラマ受けとして「(のぶには)ああいう崇(北村匠海)くんていう幼なじみがいるもんで」と中島の顔を見ると、中島は「はい…全然知らずに、はい…」と、戦場カメラマン・渡部陽一よりもゆったりしたテンポで返答。華丸から「狙ってる人は多いってことですよ」と言われても、「いやホントに。いきなり現れて、なんなんだお前はっていう…」とスローテンポを崩さず笑顔で返事をした。さらに大吉がドラマで次郎(中島)が朝田家に持参したのぶの写真サイズが大きかったことを「あんな大きな写真、ねぇ?」と指摘すると、「ちょっとねぇ…盗撮までして…」と中島が口にしたとたん、華大の2人が「盗撮じゃないでしょう!」とツッコミを入れる事態となった。
番組中盤では、中島が初夏の京都を人力車でめぐる旅のVTRが放送された。その中で中島は、「武蔵野」で有名な文豪・国木田独歩が「(自分の)おばあちゃんのおじいちゃんとうかがっています」と話すシーンがあり、華大の2人を驚かせた。綿あめを子どものようにパクッと食べたり、「話し方がゆっくりしている」と自覚していることや、「変わっている」と言われることが多いことなども明かしたが、最も注目されたのは、放送中の「あんぱん」だけでなく、昨年の大ヒットドラマとなった「不適切にもほどがある!」(TBS系)でも共演した阿部サダヲとのエピソードだろう。
この京都VTRの収録前夜には「阿部サダヲさんと(酒を)飲んでて。(京都の)太秦にいらしてて、阿部サダヲさんが。全然、帰らせてくれなくて。それでああいう感じのロケになりました」と中島は説明。華丸から「酒、残ってたの?」と質問されると中島は、笑顔を浮かべてうなずきながら「なんか阿部サダヲさんのせいで、はい…」と、茶目っ気たっぷりに返答。それを聞いていた大吉が「(「せいで、」ではなく)『おかげで、』かな」と訂正を促すと、中島は素直に「おかげで、はい…」と言い直し、スタジオ内の笑いを誘った。
また、視聴者から「怒ることはあるのか、怒ったら早口になるのか?」との質問が届くと「怒りますよ、すぐ。怒ったらさらにゆっくり(話します)。丁寧に(なります)。嫌味を言うみたいな」とこれまた笑顔でゆっくり返答。「中島歩の素顔」があれこれ伝わってきたためか、番組放送中には「中島歩」が「X」のトレンド入りを果たした。
来年放送のNHK大河ドラマ「豊臣兄弟!」では浅井長政を演じる中島。日本大学藝術学部文芸学科在学中は「落語研究会」に所属し、モデルとしてデビューを果たしたが、卒業後は美輪明宏演出・主演の舞台「黒蜥蜴」のオーディションで約200人の中から、美輪演じる黒蜥蜴の部下としてかくまわれる雨宮潤一役に選ばれて俳優デビュー。モデルから俳優へと転向した。
中島の今後の活躍が楽しみすぎる。
(森山いま)