タコさん滑り台を追え!/内田晃「ゆるゆる『歩き旅』のススメ!」【最終回】

 昭和40年代から全国に設置され、今も子供たちをワクワクさせる屋外公園の人気遊具にタコさん滑り台がある。

 その名のとおり、グネグネと足を這わすタコの姿をしていて、背中に打ち込まれた鎹かすがいの段を上って頭の空洞に入り、足の滑降部(坂)を滑る。滑降部は5種類前後が多く、急傾斜もあればトンネルもあって、飽きずに何度も滑ったものだ。

 このタコさん滑り台の発祥地は、オイラが生まれ育った東京都足立区と知って驚いた。大手新聞の記事によると、滑り台は多摩美術大学名誉教授の工藤健さんが公園遊具の会社に勤めていた時にデザインし、1965年に新西新井公園に設置したのが元祖という。

 最初のデザインは複数の滑り台を一体にしたものだったが、区の担当者から「何がなんだかわからないので、頭を付けてタコにして」と言われてしまう。落胆しつつも対応すると大評判になり、全国に広まった。

 現在も足立区内には11基のタコさん滑り台があるので、その一部を巡ることにした。まずは東武大師線大師前駅から15分歩いて元祖たこさん滑り台がある新西新井公園へ。

 えっ! 思わず叫んだのはタコさんが青色だったから。2019年に再塗装される際にデザインが公募され、今の姿が最優秀賞に選ばれた。作品名は「飛べ!タコ星人ロケット!」。うんうん。昔の宇宙人は決まってタコの姿だった。

 ここから西側へ25分ほど歩いた上沼田北公園のタコさんは、基本の赤色だが隣に大きなタコ壺がある。さらに徒歩15分の北鹿浜公園のタコさんは、ライオンやゾウと対峙して、今にもバトルが始まりそう。我が地元ながら公園担当者の遊び心にアッパレをあげたくなった。

 ある公園で父子が遊ぶ様子を見ていると、子供が滑降部をよじ上ろうとするが靴が滑って困っていた。「ハダシになってごらん」とお父さん。子供は戸惑いつつもハダシになると、スルスルと上った。このお父さん、できる! オイラ同様に尻の皮が擦り切れるほど遊び尽くしたに違いない。

 最後は舎人ライナーに乗り、舎人駅から徒歩15分の入谷中央公園を訪ねた。区内で唯一のイカさん滑り台があるからだ。タコさん同様に足は滑り台になっていて、階段の役目も兼ねる突起や丸い枠もある。見た目も美しく見入ってしまった。全国にはまだまだユニークな滑り台があるに違いない。それ目当てのゆるゆる歩き旅も楽しそうだ。

内田晃(うちだ・あきら):自転車での日本一周を機に旅行記者を志す。街道、古道、巡礼道、路地裏など〝歩き取材〟を得意とする。

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