【僕星】磯村勇斗“健治”が時折つぶやく「ムムス」が作中で説明されない理由
これは磯村勇斗がドラマのスタート前に明かしていた思惑が叶えられるかもしれない。というのは、磯村が主演する「僕達はまだその星の校則を知らない」(フジテレビ系)の中で、主人公のスクールロイヤー・白鳥健司が、不安な気分になったり怖いことや不快なことに遭遇したりするとつぶやく「ムムス」という言葉が今、SNS上で話題になっているからだ。
7月9日に開催されたドラマの制作発表会見で磯村は、このドラマの「推しポイント」を質問されると「ムムス」と返答。ドラマ内で健治がつぶやく時の心情を説明すると、現場スタッフの間でも「ムムス」がつぶやかれることが明かされていた。さらに今年の「流行語大賞」を狙っているとも話し、受賞した暁には、舞台となっている「濱ソラリス高等学校」の生徒会長である鷹野良則を演じる若手俳優の日高由起刀に登壇してもらいたいと考えていることまで明かしていたが、どうやらこの磯村の願望が叶えられそうな状況となって来たように思うのだ。
「ムムス」とは何か、ドラマの中でわかりやすく説明されることはこれまでになかった。が、おそらくこれからもないように思う。
その理由は、このドラマは「人の話を聞き、人とコミュニケーションをとることの大切さ」を可視化したような内容だと感じるからだ。言葉にすることが難しい感情を、健治(磯村)が「ムムス」と発したことで、最初は「はぁ?」と思っていた生徒たちがその「音=ムムス」を聞き、実は健治の「言葉」であることに気付き、その言葉の意味を考えるようになり、健治の気持ちを理解しようとする。このプロセスを見せてもらっている視聴者は、「世界」が広がる瞬間を見届ける役割を、脚本家の大森美香氏から手渡されてしまった気がしてならない。
(森山いま)
