【あんぱん】北村匠海“嵩”は「たっすいが」、高橋文哉“健太郎”は「ふうたんぬるか」、奥手な心優しい朝ドラ男子たち
8月6日放送のNHK朝ドラ「あんぱん」第93話で、愛の告白から結婚までがコンパクトに描かれた朝田家の三女・メイコ(原菜乃華)と辛島健太郎(高橋文哉)。
メイコは念願の「素人のど自慢」の予選会で歌い始めるも、その会場にNHKで働く健太郎がやってくると、緊張して歌えなくなってしまう。そのことからメイコは不合格となる。のぶ(今田美桜)から「メイコはずっと健太郎のことが好き」と教えられた嵩(北村匠海)は、健太郎に電話をしてメイコを励ましてくれるように頼む。駆け付けた健太郎がメイコを慰めるが、メイコは「健太郎が応援してくれる限り落ち続ける」と言い、健太郎はその意味がわからず頭を悩ませる。すると蘭子(河合優実)はメイコに「いつまで思いを秘めたままでいるのか」と声をかけ、どうやら健太郎はその言葉でやっとわかったらしく「ごめん。俺、トンチンカンな奴やけん、ずっと気がつかんで、ごめん。メイコちゃんの気持ちに気がつけんげな。ほんと俺は、ふうたんぬるかねえ」と自分を責めるシーンが描かれた。メイコはそこでやっと「健太郎さん、ずっとずっと好きでした。今も…今も大好きです」と告白。半年後に2人が結婚したことはナレーションで説明があった。
視聴者はメイコと健太郎のスピード婚にも驚いたが、もっと驚いたのは健太郎がNHKに入局した理由だろう。
健太郎は闇市で働いていた頃、メイコがラジオ番組「素人のど自慢」を好きだと知り、それをきっかけに上京してNHKに入局したと打ち明けたからだ。メイコと健太郎はもっと前から「相思相愛」だったのだ。
土佐弁で繰り返し「たっすいが」=弱々しく頼りない、と言われていた嵩も、博多弁で「ふうたんぬるか」=どんくさくてのろま、と自分を責めた健太郎も、それぞれの伴侶を大好きな、朝ドラに心地よい「奥手な心優しい男子」として、多くの人々の心に刻まれたのではないだろうか。
(津島修子)
