小野伸二が語る“日本と海外の選手の大きな差”とは!フェイエノールト時代の同僚の「貪欲さ」にも言及
J1・浦和レッズやオランダの強豪フェイエノールトで活躍した元サッカー日本代表MF小野伸二氏が、海外でも通用する日本人の“強み”などについて言及している。
天才パサーとして若くから台頭し、21歳だった2001年に加入したオランダ屈指の名門クラブで、1年目から主力プレイヤーに数えられていた小野氏。9月20日に配信された元日本代表MF鈴木啓太氏のYouTubeチャンネルでは、そんな輝かしいキャリアを振り返るとともに、日本人選手が抱える課題や武器についても語った。
小野氏は、欧州カップ戦でイタリアのユベントスと対戦した際の印象として、エースのFWアレッサンドロ・デル・ピエロについて「ゲームで使うような選手」と表現し、「スッゲェなぁ…と思いながら…」「個(の力)がとにかく強い」と圧倒されていたと回想。鈴木氏から「伸二さんの中で、個として(日本人も)“これは負けないな”って部分はどんなところですか?」と聞かれると、「いやぁ…どうだろうなぁ。まぁ、柔らかさとかしなやかさっていうのは、やっぱり日本人独特というか、向こうはちょっと硬さはあるんだけど。でも、大事な時のトラップはうまかったりとかね」と、カラダの“硬さ”には違いがあったという。
ただ、最も重要な局面でその強みを発揮するという意味では、やはり大きな力の差があったと語る小野氏。「(ボールの扱いの)うまさとかだったら日本人は絶対にうまいなとは思うけど、でも、大事なところでそれを本当に出せるかと言ったら、外国人はそこが特化してスゴい」のだといい、本番の試合中にしっかりと強みを活かすという点で、海外選手は優れていたと話している。
「小野氏自身も“テクニックは世界レベル”だと称賛されながら、そのキャリアはケガなどのコンディション不良に悩まされ、“技術は高いがそれをなかなか本番で発揮できない”というジレンマを抱えていました。また、小野氏は在籍していた当時のフェイエノールトの豪華な面々を振り返り、印象的な選手としては、元オランダ代表FWピエール・ファン・ホーイドンクや、FWロビン・ファン・ペルシら、レジェンドプレーヤーの名を列挙。中でも、デンマーク代表で活躍した点取り屋のヨン・ダール・トマソンは、ロッカーが隣同士で、パサーだった小野氏に対し、いつも『お前がボール持ったら走るから、見ててくれ』とパスを要求してきたといいます。これに小野氏は『こうやって言ってくる選手ってなかなかいないな、と思って。やっぱりゴールを獲るための貪欲さってスゲーなって』とストライカーの性(さが)を感じたと話し、そういった姿勢も当時のJリーグではあまり見られなかったと語っていました」(スポーツライター)
小野氏が海外との差を痛感してからおよそ20年。現在の日本代表は大きく進化し、ヨーロッパの名門で活躍する選手がズラリと名を連ねている。まだ欧州サッカーが日本人にとって「未到の地」に近かった時代、小野氏はその道を開拓してくれたパイオニアの1人であり、間違いなく日本サッカー界の功労者だと言えるだろう。
(木村慎吾)
