キング役は「コロ助」から着想を得ていた…窪塚洋介「『IWGP』人気キャラ誕生」裏話が絶賛!
俳優・窪塚洋介が10月17日公開の映画「次元を超える」で共演したお笑いタレント・千原ジュニアのYouTubeチャンネルにゲスト出演し、自身の出世作となったドラマ「池袋ウエストゲートパーク」(IWGP)=TBS系、2000年=の裏話を明かしている。
「窪塚洋介×千原ジュニア特別対談!」と銘打たれた10月29日配信の動画では、10代の頃から話題作に立て続けに出演して注目をさらってきた窪塚のキャリアを振り返る中、ジュニアは、日本中が窪塚の演技に熱狂した作品として、「IWGP」を挙げた。
同作で、窪塚は池袋を主戦場とするカラーギャング集団のリーダー、“キング”こと安藤崇役を熱演。飄々とした口調や独特な存在感が唯一無二のオーラを放ち、主演の長瀬智也以上に人気を集めたといっても過言ではないが、当初の脚本に書かれていたのは全く別のキャラクター像だったという。
窪塚は、ジュニアからの「あれって、あんなこと絶対に台本には書いてないじゃないですか? あの(体の)動きであるとか、あれ、どういう仕組みでああいうふうになったんですか?あんな奇跡的なお芝居って。しかも、ドラマで」との問いに、「(最初に)脚本を読んで、“これヤバいな…”って思ったんですよ。というのは、別に(窪塚自身は)不良で生きてきてなかったから、もうガチガチの超ギンギンの不良みたいな役なんすよ。毛皮のコートを裸で着て寡黙みたいな。そんなの成立するわけねえと思ったんで。何か手はないかなっていう」と答え、自分にとって演じやすく、作品的にもマッチしたキャラクターに“改変”したのが始まりだという。
そのために窪塚が参考にしたのは1996年まで「週刊少年チャンピオン」で連載された不良漫画「ウダウダやってるヒマはねェ!」に登場する人気の“狂犬”キャラ・天草銀(アマギン)だったと説明。さらに「そのアマギンとコロ助を足してみよう」と、「キテレツ大百科」のコロ助をキング役の「スパイス」として加えたのだという。
ただ、当時の窪塚は役者としてはまだ新人の「19〜20歳ぐらい」で、当然ながら、そのアイデアは堤幸彦監督から「ダメだよ、そんなの」「原作があるし」と反対されていた。窪塚は自身を「直感がすごかったんで」と振り返り、反対されながらも“この脚本のままだと俺も作品もあなたもヤケドしますよ”と説得。窪塚いわく、2時間におよぶ力説を経て、「最後は堤さんがしびれ切れて、『もうじゃあいいよ…』『君の好きにやりなよ。その代わり知らないよ』みたいなノリで。突っぱねる感じでやらせてもらえるってなった」という。
「そして、撮影が始まり、最初に“窪塚流キング”が現場でお披露目されると、周囲もその斬新なキャラクター像に圧倒されたのか、窪塚は『嬉しかったのが』と前置きして、ドラマ後半の6〜7話あたりから、脚本を務めた宮藤官九郎氏が、そのキャラにあったように脚本を書いてきてきてくれたそうだと明かし、『“なんとかなり〜”みたいなセリフにしてくれて』と回想。完全に自身の強引なアイデアから始まったキングの役柄が、徐々に周りから認められていく様がたまらなかったそうです。この一連の秘話には、動画の視聴者から『そのキャラ作りによって、キングが一番格好良かった』『めちゃくちゃ面白い裏話』『コロ助足そうと思ったの天才すぎるだろ』などと絶賛する反応が並んでいました」(テレビ誌ライター)
窪塚の名前と実力を一躍、日本中に知らしめた「IWGP」。その裏には、19歳にして監督にクレームを入れるほどの物怖じしない新人の熱意があったようだ。
(木村慎吾)
