渡辺えり、森田芳光監督との大喧嘩を回顧「森田さんの脚本を書き直したところから始まって」
「森田芳光監督と本当にやり合ったんですよ」
「家族ゲーム」(1983年)、「失楽園」(97年)など数多くの代表作を持つ映画監督・森田芳光氏(2011年死去)との激しいやり取りをYouTubeチャンネル「ホイチョイ的映画生活~この一本~」(1月27日付)で回顧したのは、女優・渡辺えり。渡辺は1988年公開の4話構成のオムニバス映画「バカヤロー!私、怒ってます」の第1話「食べて何がいけないの?」で初監督を務めた(当時は渡辺えり子名義)。
ストーリーは、女優・相楽晴子が演じる静香が、俳優・伊原剛志が演じる婚約者の和樹から理想の体型になるよう細かい指摘を受ける、というもの。静香のストレスはたまりにたまり、両家の食事会の席でついに爆発する…といった内容だ。総指揮と脚本を担当した森田芳光氏と渡辺は、制作現場でこんなバトルに発展したという。
「森田芳光さんが書いた脚本を私が書き直しちゃったんですね。それをまず『書き直すな!』と怒られて。『自分の言う通りにやってた方が得だ!』と言われ、その『得だ』に対して『今まで損得で物事をやったことがない!』ってキレちゃって。編集の時もいろいろ口出しをされて、『私が監督なんですから、口出ししないでください!』って大喧嘩したり…」
当時はまだ女性監督がほとんどいなかった時代であり、渡辺は現場で相当苦労したようだ。彼女は「本当にやり合いました。大変な時代でしたよ、女性にとっては。女の言うことなんか聞いてられないみたいな人がいっぱいいる頃にやってたんで」と振り返った。
今では蜷川実花、西川美和、安藤モモ子、河瀨直美らが日本を代表する映画監督として名を連ねるのも、先駆者である渡辺の“闘い”があってこそだろう。
(所ひで/YouTubeライター)
