フィギュアスケート界は4月23日の国別対抗戦で今シーズンが終了。いよいよ来季は平昌五輪シーズンとなる。世界王者・羽生結弦選手の五輪連覇や、さらなる記録更新など、期待は高まるばかりだ。
「16‐17シーズンの世界選手権は、300点を超えても表彰台に乗れないというハイレベルな戦いとなりました。いまや種類も回数も増えた4回転ジャンプの出来映えが、結果を左右します。解説者の佐野稔氏は、この流れでは、平昌五輪では330点の闘いになるのではないかと予測していました」(スポーツライター)
確かに、各選手が4回転ジャンプの精度を高め、種類と本数を増やせば330点前後での勝負も十分に考えられる。一方で、こんな意見も。
「世界選手権での羽生選手は、名前をコールされてから30秒以内に演技開始地点で静止しなければいけない、いわゆる“30秒ルール”での減点と、コンビネーションジャンプの失敗という2つのミスのためにSP5位発進でしたから、仮にそれがなければ自身の歴代最高得点を超える331~334点を取れていたと思われます。しかし、羽生選手の世界歴代最高得点は2種類の4回転で叩き出した数字。つまり4回転をたくさん跳ぶより、各要素の出来栄えを見るGOEで加点のつく確実な演技をしたほうが、高得点を狙える場合があるということです。五輪では失敗する可能性のある何種類もの4回転を跳ぶよりも、厳選した精度の高い4回転で加点を積む演技構成で臨む選手が増えるかもしれません。そう考えると、表彰台ラインは330点よりも低いところで落ち着くのではないでしょうか」(スポーツライター)
4回転の連発で高得点を狙うか、確実に跳べるジャンプで加点を重ねるか。リンクに立つ前から、勝負は始まっている。
(芝公子)