フィギュアスケートの村上佳菜子選手が22歳という若さで引退を発表した。浅田真央の引退報道時とは対照的に、マスコミの扱いも控えめで、ひっそりとした幕引きになった。そもそも“ポスト浅田真央”の呼び声の高かった村上はジュニア時代から期待を集め、山田満知子コーチも「真央以上の逸材」と語ったほどの逸材だった。シニアデビューした10年から11年のシーズンはGPシリーズで優勝と銅メダルを獲得し、GPファイナルでも3位という輝かしいデビューを飾っている。
「しかし、その後の目立った成績は四大陸選手権の優勝、全日本選手権の2位くらい。ジャンプの修正がうまくいかず、なかなか飛躍できませんでした。本人がマイペースな性格で、もともと『スケートの先生になるのが夢』と公言しており、ストイックなアスリートタイプではありませんでした。たびたび『やめたい』とこぼしていたことも漏れ伝わってきていました」(スポーツライター)
“経験を積ませるため”ソチ五輪に派遣されたものの12位と振るわず、その後も“技術の衰え”から思いどおりの演技ができないまま選手生活を続けてきた村上。16年の全日本選手権では8位ながら「スケート人生の全てを出せた」「(今後については)コーチや親と相談したい」とサバサバと語っていただけに、今回の引退発表にはファンの間でも「やっぱり」という声が多い。
「発表がこの時期になったのは、浅田の発表が落ち着いてからという配慮でしょう。国別対抗戦のエキシビジョンで最後の演技を披露できたのは、選手として幸せな幕引きだったのではないでしょうか」(前出・スポーツライター)
プロのスケーターとして、そして未来の金メダリストを指導するコーチとして、今後の活躍に期待したい。
(芝公子)