京都に旅行に行って、日本料理店でメニューに値段が書かれていなくて困った‥‥という経験はありませんか? そんな疑問をすっきり解消してくれるのが京都在住20余年、映画研究家で脚本家の大野裕之氏の著書「京都のおねだん」(講談社)です。今回はこの本から、珍しい京都ならではのお値段を3つ紹介します。
●「お地蔵さんの貸出」3000円
京都では夏の終わり(8月24日前後)の土日に地蔵盆をおこなう風習があるそうです。その際、町内会でお地蔵さんを用意しますが、マンションが主流の昨今の住宅事情もあり、お地蔵さんを持っていない町内会もあるのだとか。そんな町内会にはお寺がレンタルしてくれるそうで、「お布施」という名のレンタル料金が3000円。季節が感じられるお値段です。
●「公家のアルバイト」1万円
公家といってもタイムスリップして平安時代から連れてくるわけではありません。京都では「葵祭」や「時代祭」などの京都伝統祭りの際には、平安貴族が欠かせません。これらのお祭りに登場する「公家」の多くは大学生のアルバイトなんです。日給は1万円。特別な衣装が着られることから人気が高いのだとか。京都ブランドを支える重要なお仕事です。
●「花街のお茶屋遊び」 24万4836円
人の紹介がなければ行けない京都のお茶屋遊び。著者の大野氏が自腹で遊んだ時のお値段は24万4836円だったとか。誰でも同一料金というわけでなく、紹介者や芸妓さんの人数、料理などによって変わるそう。しかも支払いは当日ではなく、後から届く請求書が来て初めてわかるのだとか。人によって値段が変わるのが、花街の流儀です。
京都ならではの珍しいお値段を知ることで、京都の奥深さがわかるかもしれません。