「健康維持やダイエットのために運動しなくちゃいけないのはわかっているけど、なかなか時間がなくて…」。
誰もが陥る悩みですよね。それに、体脂肪は20分以上の運動をしないと減っていかないなんてこともいわれます。
ところが、これは大きな勘違い。実は、脂肪は座って仕事をしているときでも、テレビを見ているときでも、ちゃんとエネルギーとして使われているのです。運動を始めた直後も体を動かすために使われていて、運動時間が長くなるほど、体脂肪を分解してつくられた糖がエネルギーとして使われる割合が高くなる、ということだけなのです。
それに、アメリカのスポーツ医学会の基準では、健康を維持するには「1日30分程度、運動としての身体活動を毎日行いましょう」ということが提唱されています。しかも、30分まとめてやるのではなく、分割して行っても結果は同じだそうです。ですから、例えば1回10分のウォーキングを1日3回、通勤や通学の途中で行ってもいいということなのです。
また、逆に1日30分に換算できる運動を週末にまとめてやってもいいそうです。ジムに行って、90分間の運動を週2回行えば合計180分。つまり30分の運動を6回行ったのと同じことになります。それだけで十分に健康への効果が認められるそうです。これは、ゲーリー・オドノバン博士を中心とした研究チームが、2017年3月に米国医師会雑誌(JAMA)に発表している論文で証明しています。
「時間がない!」を言い訳にしているあなた。少しの工夫で運動はできるものですよ。少しずつ分割してもいいし、まとめてもいいですから、楽しく体を動かして、脂肪を減らすと同時に、ストレスも解消してはどうですか。
(医療/フィットネスライター・松尾直俊)