いよいよ迫ってくるフィギュアスケートの平昌五輪シーズン。各選手がどんなプログラムを組むのかに注目が集まるが、ファンの間では浅田真央がバンクーバー五輪で惜しくも銀メダルとなったFS曲「鐘」での感動が、今なお語り継がれている。
「あのFSは、当時の最高難度の技術がつまった、浅田でさえ完成に苦労した演目でした。SPで『007』を演じたキム・ヨナは“指をならすところで休憩できるんです”などと語りスケートファンの失笑を買いましたが、その意味では次々と技が繰り出される浅田のプログラムには、どこで息をついでいるのだろうと思いたくなるような、技の連続で創り上げられた作品でした」(週刊誌記者)
才能ある浅田に、タラソワコーチが自分の理想のすべてを込め、浅田にしか滑れない演目を作ったのだ。だが、そんなタラソワコーチが平昌五輪シーズンのある選手の新プログラムを絶賛したという。
「それは、ロシアのエフゲニア・メドベージェワ選手の新しいFSのプログラムです。見学に招かれたタラソワコーチは『とても、とても、とても気に入った』と語り、これまでのものとは違う完全に新しいものだと大絶賛したといいます」(スポーツライター)
その完璧な演技から、向かうところ敵なしのメドベージェワ選手。SPはショパンの「ノクターンNo.20」、FSはジョージ・ウィンストンの「January Stars」とマックス・リヒターの「Departure (Lullaby)」「Dona Nobis Pacem 」の組み合わせだという。
「あのタラソワコーチが絶賛するのですから、五輪に向けてかなり攻めた高難度なプログラム構成だということでしょう。タラソワコーチは優秀な選手が難しい技を駆使したプログラムを滑るのが大好きですし、選手が進化しないことを嫌います。ソチ五輪のキム・ヨナの演目を見て『彼女は何も変わっていない』と言ったように、進歩のない内容構成で滑ることに批判的なのです。そう考えると、今シーズンのメドベージェワ選手の果敢に新しい挑戦をしていく姿勢を絶賛したということなのでしょう」(前出・スポーツライター)
メドベージェワ選手の新演目は、浅田の『鐘』をもしのぐ傑作となりえるのか。シーズン開幕が待ち遠しい。
(芝公子)