18年2月3日、俳優・斎藤工が“映画監督・齊藤工”の名で製作した長編初監督作「blank13」が公開される。これは、13年前に家族を捨てて姿を消した父親の葬式に参列した兄弟(斎藤工・高橋一生)と、父親の知人たちとのささやかな触れ合いを描いた作品。第20回上海国際映画祭「アジア新人賞部門」では最優秀監督賞を、第15回ウラジオストク国際映画祭では斎藤と高橋、さらに父親を演じたリリー・フランキーの3人が最優秀男優賞をトリプル受賞するなど、国際的にも評価された映画だ。
「斎藤は以前から、演じるだけでなく作る側をやりたいと言っていました。デビュー作が海外で認められた彼の監督としての今後の活躍には大いに期待ができると思います。オダギリジョーもそうですが、映画が大好きで、作りたい世界を自らの手で表現したいという欲求は、俳優たちの間で年々高まってきているようです」(映画ライター)
確かに近年、俳優が監督業に進出する例が増えてきた。ベテランでは17年に「TAP‐THE LAST SHOW」を初監督した水谷豊や16年に「嫌な女」を監督した黒木瞳、09年に「ガマの油」を発表した役所広司の例があり、小栗旬も10年に「シュアリー・サムデイ」で初メガホン。彼らの場合は俳優としてのポジションを確立してから監督したわけだが、最近はもっと若手の俳優たちも短編映画を監督している。染谷将太は「シミラー バット ディファレント」や「清澄」といった短編を16ミリフィルムで撮っており、柄本佑も東京乾電池の戯曲を加瀬亮や宇野祥平を使って監督した短編「ムーンライト下落合」を17年に劇場公開している。
「若手俳優の作品は概して小さい公開のため、当然、大ヒットもしていません。その中で、齊藤工監督が伊丹十三や北野武など世界的な名声を得た監督に続けるか、注目が集まっています」(前出・映画ライター)
果たして世界から賞賛を得た齊藤工初監督作は、日本国内でどのような反響を得られるのか。