フィジカルトレーナーの中野ジェームズ修一さんは、ダイエットや健康維持のためのウォーキングでは、普段と同じ速度で歩いていては効果的ではないので、運動強度を上げなければならず、「一番簡単なのが、できるだけ顔を上げて、歩幅を広くする」という方法があるといっていました。
実は、さらにウォーキングの効果を高めるアイデアがあります。それが、歩くコースの中に坂道や階段を取り入れること。坂道や階段を登ることは、確かに“キツイ!”と感じますよね。でも、その感覚になることこそが、筋肉に負荷がかかって、消費エネルギーを増やすと同時に、体力強化にもつながっていくのです。とくに、太ももからヒップにかけての筋肉がよく働くので、ヒップアップや美脚への効果も期待できます。
あまりにも当たり前といえば当たり前ですが、少しだけでもキツイと感じるものでなければ、体への効果がある負荷がかかっているとはいえないのです。
もし、「登りはどうしてもイヤ!」というのであれば、階段や坂道を下りるだけのコースでも大丈夫です。普通、筋肉は収縮するときに力を発揮しますが、実は引き伸ばされながら力を発揮する「エキセントリック収縮」という能力も筋肉にはあるのです。そして、こちらの働きのほうが、筋肉を発達させるのに大きな役割をするともいわれています。
坂道や階段を下りるときには、脚部の筋肉群にエキセントリック収縮が働きます。重力に助けられて、楽に感じますが、筋肉の中ではエネルギー消費が多くなって、さらに筋力強化にもなるのです。
ウォーキングで脂肪燃焼を促し、体力強化や美脚を手に入れようというのであれば、坂道や階段をうまく使って歩くようにしましょう。
(医療/フィットネスライター・松尾直俊)