SNS上が物騒なムードになっているようだ。
19日に一般公開され日本中の話題を独占している上野動物園のシャンシャン。赤ちゃんパンダ特有の愛らしさを、テレビ各局が時間を割いて報道。46倍という抽選に当たった来場客などの声も拾って、そのフィーバーぶりを伝えている。
そんなシャンシャンが話題を独占するなか、白浜町にある「アドベンチャーワールド」で5頭ものジャイアントパンダを飼育しているのが和歌山県。仁坂吉伸知事が20日、「上野のシャンシャンしか世の中にいないのか、というくらいの浮かれようだ」と過熱報道に苦言を呈したのだ。
「アドベンチャーワールドには昨年9月に生まれたばかりのメスパンダ、結浜(ゆいひん)もいて公開されていますから、シャンシャン報道が面白くないのは当然でしょう。じつは知事がコメントする前から、ツイッターなどは大荒れでした。一様に東京ははしゃぎすぎという声。和歌山県では繁殖が何度も成功しているのに、都会と地方の格差をまざまざと見せ付けられているかのような状況に不満を漏らす県民も多いのです」(女性誌記者)
「パンダは上野にしかないという間違った記事を読んで泣きそうになった」「『いま東京が大変です。上野動物園でみんなが喜んでます』と女子アナが叫んでいる」「全国ネットで東京ローカル番組やめようぜ」「みかんで愛媛に勝って以来の戦争だ」など、ネット上のコメントは確かに穏やかではない。もちろん「アドベンチャーワールドなら並ばなくて見れますから来てくださいね」と、謙虚にアピールする和歌山県民も少なくないが、現状は和歌山発信の一斉砲火状態といったところだ。
仁坂知事は「(上野では)少ししか見られなかった、ゆっくりパンダと遊びたいなあと思う方に、白浜のほうがじっくり見られますよというメッセージをどう届けるかを、これから大いに考えないと」と話したが、五輪の次はパンダ‥‥東京の一人勝ちムードは波紋を広げそうだ。
(飯野さつき)