おせち料理といえば、1月1日の元日に向けて、数日前から入念に準備するものでした。パティシエの弓田亨さんとフランス菓子・料理教室副校長の椎名眞知子さんの共著「ごはんとおかずのルネサンス 真実のおせち料理編: 甘さにまみれた偽りのおいしさを斬る」(ll Pleut Sur La Seine刊)によると、昔は12月13日が正月の準備を始める日「正月事始」だったといいます。
でも、近頃は共働き世帯も多く、おせち料理をきちんと一から自作するという家庭は、それほど多くないのではないでしょうか。そこで今、注目されているのが、一日でおせち料理を作ってしまうことなんです。
あんなに手のかかるおせちを1日で!?と思うべからず。とはいえ、12月31日の一日で作り、1月1日に間に合わせるためには、やっぱりコツがあるそうです。ライフ&フーズ編集室「12月31日でも間に合う簡単おせち」(学研プラス刊)によると、上手に“入れ替える”ことがポイントなんだとか。例えば、紅白なますを「柿なます」に、栗きんとんを「さつまいもとレーズンの茶きん」に、たらこの昆布巻きを「松前漬け」に、煮しめを「炒り鶏」に入れ替えるといった具合です。
いずれの料理も、入れ替えではありながら、しっかりしたメニューなので、手抜き感はありません。年末は忙しくて!という人も、おせちの伝統に縛られず、ぜひ試してみてはいかがでしょう。