最近、ブームとなっているダイエット法といえば、「食べて痩せる」もの。厳しい食事制限のあるダイエットで挫折を繰り返してきた女性たちにとっては、非常にありがたい方法ですよね。
ところで、腸内にはさまざまな種類の細菌が大量に存在していますが、その中でも、ダイエット効果が期待できる「ヤセ菌」と、ダイエットの弊害となり得る「デブ菌」があるようです。このヤセ菌を増やすために、エサとなる炭水化物を摂って腸内環境をコントロールすることが、実は“食べて痩せる新しいダイエット方法”として、注目されているというのです。
「小麦ブラン研究会」主催のセミナー「新時代の『ファイバーデトックス』2つの穀物繊維の相乗効果とは」で登壇していた、大妻女子大学家政学部食物学科教授の青江誠一郎さんによると、腸内に、いわゆるヤセ菌が少なくデブ菌が多いと、同じ食事量でもより高いエネルギー量を吸収するため肥満型になりやすく、食物繊維による糖代謝改善効果も低くなってしまうのだそう。
こうした現象を避けるため、ヤセ菌のエサとなる炭水化物を食べて痩せる「high MACダイエット」が注目を集めているのだとか。青江教授によると、MACとはMicrobiota-accessible carbohydrates(MACs)のことで、「腸内細菌に届く炭水化物」という、新しい概念だそう。腸内で元気なヤセ菌を育てるために、MACを取り入れるとは、驚きですよね。では、MACってどんなものなの?
青江教授が取り上げていたのが、「小麦ブラン」とスーパー大麦「バーリーマックス」の2つのMACです。しかも、これを同時に摂取すると、腸内環境改善のための相乗効果が得られることが、新たな研究で分かったとか。
小麦ブランは、小麦の皮部や胚芽部分のことで、食物繊維が豊富なことで知られている他、低糖質・低カロリー。ブランパンとして、コンビニなどでもよく見かけますよね。
スーパー大麦「バーリーマックス」は、不溶性・水溶性の天然食物繊維をバランスよく摂取でき、食物繊維と同様の働きをするといわれる炭水化物「レジスタントスターチ」が、一般大麦の4倍も含まれているスーパーフード。健康志向の人なら、グラノーラなどですでにスーパー大麦を取り入れているかもしれません。
研究結果の相乗効果を知ると、小麦ブランとスーパー大麦「バーリーマックス」を同時に摂取したいもの。最近では、この2つがミックスされたものも出ているようなので、チェックしてみましょう。
単独摂取、同時摂取のいずれにしても、「炭水化物を食べて痩せる」というダイエット法は、食べるのを我慢するのが苦手な女性にぴったり! 腸内環境とダイエットが結びつくとは“目からウロコ”ですよね。今後もぜひ“腸にいい”食品の情報感度を高めておきたいものです。