冬は寒くて外出したくなくなりますよね。こうなると運動不足になるのはもちろん、寒さによる血管の収縮なども重なって、普段より血圧が上がりがちに。よって、高血圧の人にとっては脳卒中や心筋梗塞などのリスクが一層高まる季節でもあるんです。
「さらに冬は鍋やスープ類などの比較的塩分が多い食事が増える傾向にあるため、塩分の摂取量を下げるのは難しいのが現実です」
こう話すのは、医学博士で管理栄養士の本多京子先生。本多先生によれば、高血圧リスクを下げるために大切なのは、なによりも「塩分摂取量を少なくすること」だと言います。
「日本人は世界的にみても特に食塩摂取量が多く、今年の4月から1日の“塩分摂取”の基準が引き下げられました。これまでの男性9.0g未満・女性7.5g未満から、男性8.0g未満(マイナス1.0g)・女性7.0g未満(マイナス0.5g)になりました。
しかし、これでもWHO(世界保健機関)の目標値5.0 g未満や、日本高血圧学会が定める高血圧治療ガイドラインの6.0g未満よりも多くなっています。
また、日本人の国民健康栄養調査の現状(平成25年度調査)をみても、男性は11.1g、女性は9.4gと目標値よりもかなり多めになっています」(本多先生)
忘年会や新年会の多いこの時期、私たちは知らぬ間に目標値をオーバーした塩分をクチにしているんですね。
そこで本多先生が提案する減塩方法が、昨今流行りの「グラノーラ」の活用だとか。
「オススメは、3食のうち1食はフルグラ(フルーツグラノーラ)を食べることです。一般的な食事で塩分摂取が多くなる理由は、加工食品などから知らずにとる『見えない塩』にあります。朝食だけでも食パン・バター(マーガリン)・ハム・チーズなどから、知らずにとる塩分がかなり多く、これに気づくことが大切。
また、グラノーラはよく噛んで食べる特徴があるため、噛む朝食で脳を活性化し、肥満防止にも役立ちます。
おすすめの食べ方は、フルグラにカットフルーツとヨーグルトをのせた食べ方です。塩分摂取量が少ない上に、フルーツに含まれるカリウムが塩分の排出を助けてくれるんです」
また、昼食や夕食時には「香味野菜や香辛料、お酢を使う」のもいいのだそう。
なかなか難しい「減塩生活」も、こうした楽しく手軽な方法であれば、続けられそうな気がしませんか?