平昌五輪のフィギュアスケート女子シングルでは、最有力の金メダル候補であったロシアのエフゲニア・メドベージェワ選手を破り、今季シニアデビューした同じくロシアのアリーナ・ザギトワ選手が優勝を飾った。メドベージェワ選手は昨年10月、右足を骨折したことも影響したのだろう。そんな彼女のシーズン後半の勝敗が、ソチ五輪前の男子フィギュアスケート、パトリック・チャン選手に似ているという指摘がある。チャン選手もソチ五輪ではカナダ悲願の金メダルを熱望されながら、銀メダルに終わっている。
「チャン選手の時には、ソチ五輪直前のGPファイナルで羽生結弦選手が突然、頭角を現して来たんです。GPファイナルでチャン選手は万全の演技をして、自分の優勝を疑わなかったことでしょう。ところが、羽生選手がSPで歴代最高得点を更新。フリーでも自己最高得点を更新して優勝したのです。それまでは前年の世界選手権で3連覇を果たすなど、数々の大会で優勝してきたチャン選手だけに、五輪も優勝するものという自信がコメントの端々に表れていました。メドベージェワも昨年の骨折による欠場まで、シニアデビューしてからのほとんどの試合を優勝で飾っており、世界選手権も2連覇を達成していました。それなのに五輪直前の欧州選手権でザギトワ選手に敗れ、銀メダルとなっていたのです」(スポーツライター)
確かにチャン選手と似た展開で金メダル逃したと言えそうだ。メドベージェワ選手の場合、同国の同じコーチのもとで学ぶ後輩に金メダルを奪われた形だけに、チャン選手よりもショックは大きかったかもしれない。
(芝公子)