平昌五輪に続き、フィギュアスケート世界選手権2018が閉幕した。
羽生結弦選手の五輪連覇、宇野昌磨選手の銀メダル、世界選手権での宇野選手の銀メダル、友野一希選手の5位入賞、樋口新葉選手、宮原知子選手のW表彰台と日本選手は今シーズンも好成績を残すことができたが、その成功を誰よりも喜んでいるのは、ほかでもない日本スケート連盟だろう。
全日本の結果を受けて、五輪に派遣する選手に宮原選手と坂本花織選手を選抜。有力視されていた樋口選手は涙を飲んで世界選手権に出場することとなった。
「確実に実績を残していた樋口選手か、勢いのある坂本選手かで悩み抜いた結果があの選抜でした。連盟としては、翌年の代表枠に関わる世界選手権のほうに確実性の高そうな樋口選手を派遣し、メドベージェワ選手やザギトワ選手などなみいる強豪選手がいるため、表彰台の残る1枠をかけて闘うことになりそうな五輪のほうに、勢いのある坂本選手を選抜したというのが本音ではないでしょうか。ソチ五輪の時には将来性を買って村上佳菜子選手を派遣しましたが、その後は泣かず飛ばずで引退してしまいましたから、今回は熟考に熟考を重ねての結果だったと思われます」(スポーツライター)
結果、坂本選手は平昌五輪で堂々の6位入賞。樋口選手は世界選手権で、ザギトワ選手らの失敗があったとはいえ銀メダル。宮原選手の銅メダルとともに3枠の獲得に、大いに貢献した。さらに男子も、羽生選手欠場で出番が回ってきた友野一希選手が5位入賞と大健闘。こちらもみごとに3枠を獲得できた。世界選手権に出場したもう1人の選手、田中刑事選手が13位で、もし友野選手が出場していなければ3枠獲得ができなかったかもしれず、友野選手の活躍に、スケート連盟が大喜びしただろうことは想像に難くない。
男女とも、今シーズン獲得した3枠を活かして、来シーズンも大いに頑張ってもらいたいものだ。
(芝公子)