納得できないことで怒ったり、無茶ぶりしてきたりする上司に悩まされていませんか? こんな困った上司に当たったときの対処方法を、ビジネススクールで知られるグロービスで、スマホ動画学習サイト「グロービス学び放題」の事業リーダーを務める鳥潟幸志さんに教えていただきました。
●納得できないことで怒ってくる上司に対して
「なぜ上司が怒ってくるのか、その前提を確認することが重要ですよね。コミュニケーションスキルとして重要な『クリティカル・シンキング』では、『前提を疑う』とか『前提を確認する』というプロセスを重要視します。自分では気づいていないこともあるかもしれませんので、まずは相手が何に対して怒っているのか、その原因を確認してみましょう。
その際に、上司は怒っているので感情に配慮しながら、『わからないので教えてください』というスタンスで臨むことが、相手に心を開いてもらう上でも大事です。
感情的にどうしても納得ができないなら『マインドフルネス』という手法を使って、自身の気持ちを客観視し落ちつかせることも効果的です。マインドフルネスは、Googleをはじめとした成長企業が、社内研修で取り入れていることでも注目されています」
●仕事を無茶ぶりしてくる上司に対して
「相手の期待値を確認・コントロールしましょう。ここでも、『どんな内容のものをいつまでに上げなければいけないのか』を確認して、明確化しましょう。その上で、品質かスピードか、できれば両方で、相手の期待値を少し上回るアウトプットを出すことにトライしてみてください。もし相手の期待値を満たすことができなさそうなことが早期にわかった場合には、早めに報告を行い、相手の期待値をコントロールしておくことも重要です。
また、依頼された仕事を受ける場合でも、自分だけが苦労するのではなく、双方が納得した上で仕事を進められるように、『ネゴシエーション(交渉術)』を意識するのもよいでしょう。例えば、『翌日まで実施して!』と依頼された際、その代わりに他の仕事の優先度を下げることを了承いただく。もしくは、期限を延ばしていただくことで品質を上げることが可能であるなど、両者が納得できる落しどころを提示していきます」
さまざまなビジネススキルを身につけることで、これまで同僚に愚痴って終わっていたことも、がらりと変わりそうです。この春からはどんな上司にも的確な対応ができるよう、スキルアップを目指してみてはいかがでしょうか。