嵐の二宮和也主演TBS日曜劇場「ブラックペアン」の第3話が5月6日に放送され、平均視聴率は12.1%と横ばい状態をキープしている。
ところが、医療現場からは「ドラマとはいえ、内容がひどすぎる」との苦情が出ている。
日本臨床薬理学会は5月2日付のFacebookで「CRC(Clinical Research Coordinator、臨床研究コ-ディネ-タ-)は、臨床研究を実施する医師、製薬企業(依頼者)やご協力いただく被験者の支援、医療機関内の多部署との連携など、臨床研究の実施に必要な調整役としての専門職です。(中略)現在、貴局で放送中のブラックペアンにおいて登場する治験コーディネーターとは、まったく非なるものであります」とあり「第1話、第2話で描写された治験コーディネーターの姿は、現在、患者さんのために、医療の発展のために真摯に努力しているCRCの心を折り、侮辱するものであったと感じます」と指弾した。
医療ジャーナリストは「指摘された回は、手術被験者の頬を金で叩いて応じさせるような描写だった」という。
「第2話で急患は一命を救われますが、根治治療のため再度の手術が必要になる。ですが、経済的な問題を理由に退院を申し出ます。そこで、加藤綾子演じるCRCが、300万円の報酬で患者を説得する。しかし、高額の報酬で治験参加を誘導することは厳に戒められている。また、二宮演じる渡海医師が患者やほかの医師に対して『死ぬよ』とか『殺す』などのセリフが必ず出てきますが、現場の医師からは“あれはないよな”との声も上がっています」
日本民間放送連盟の放送基準では「医療や薬品の知識および健康情報に関しては、いたずらに不安・焦燥・恐怖・楽観などを与えないように注意する」とある。ドラマとはいえTBSは、「ブラックペアン」の制作に関してもう少し配慮が必要なのではないだろうか。