「コミュニケーション不足」とは袂を分かつ際の便利な常套句なのか?
タレントの鈴木紗理奈が6月17日、「サンデージャポン」(TBS系)に出演。自身の経験を踏まえながら、パワハラ騒動に揺れるレスリングの栄和人監督に少なからず理解を示す一幕があった。
全日本選抜選手権が開催された東京都の駒沢体育館にて、レスリング女子の伊調馨や田南部力コーチらへの謝罪会見を実施した栄監督は、今回の騒動の要因として「(選手らとの)コミュニケーション不足」を挙げ、「今後は敬意を持って他人と接する」などと猛省。
スタジオで、同監督の謝罪について感想を求められた鈴木は「コミュニケーション不足っていうのは、(問題の原因を)うやむやにしたい時に使うんですよ」と切り出し、続けて「私、離婚した時に離婚の理由をあんまり言いたくなくて、“コミュニケーション不足”って言いましたもん」と告白。司会の爆笑問題・太田光から「(自分も)使ってんじゃねーかよ。他人の事言えないじゃん」とのツッコミを受け、「だから、分かりますなぁ。気持ちが…」などとしんみり語っている。
「非常に正直な回答で笑いを誘った鈴木ですが、この“コミュニケーション不足”というワードに頼った人物は栄監督や鈴木紗理奈だけでなく、直近では前日本代表監督のヴァヒド・ハリルホジッチを解任した日本サッカー協会の田嶋幸三氏や、元TOKIOの山口達也を失ったリーダーの城島茂も同様です。前者はハリルホジッチ更迭理由を『選手とのコミュニケーション不足』とし、後者もまた、未成年への強制わいせつを起こした山口の振る舞いについて、『30年も一緒にやってきて、本人から何も知らされていない。詳細を知ったのは皆さんと同じで報道や謝罪会見です』『これは裏切りです』などと騒動発覚直後に出演した報道番組で断罪していました。アスリートや芸能界、そして日常に至るまで、あらゆるシーンに“コミュニケーション不足”が蔓延しているのかもしれませんね」(テレビ誌ライター)
鈴木が指摘するように、「うやむやにしたいから」なのか、もしくは「実際に意思伝達が不足しているから」なのかは分からないが、今後も各分野で多くの“コミュニケーション不足”が勃発することになりそうだ。
(木村慎吾)