フィギュアスケートの羽生結弦選手が国民栄誉賞を受賞したことで、仙台の名品に注目が集まっている。
「羽生選手は紋付き袴姿で受賞に臨みましたが、その袴は仙台平を織る人間国宝・甲田綏郎氏の作によるものだと話題になりました。仙台平は江戸時代から続く絹織物で、和服に造詣の深い人しか知らないような逸品でしたが、今回の羽生選手の受賞で一躍日本全国にその名が知れ渡りました。甲田氏が代表を務める合資会社のホームページに羽生選手の着用が公表されて以降、おびただしい数のアクセスが殺到し、甲田作品を紹介する呉服屋さんのホームページにも多数のアクセスがあったそうです」(週刊誌記者)
県民栄誉賞受賞時には、賞状に「白石和紙」、東北工芸製作所の「玉虫塗 尺三飾り皿」、仙台市の特別表彰の記念品には、市の伝統工芸品「堤人形」を受け取った羽生選手。受賞のたびに仙台の名産品が話題になるというわけだ。
「羽生選手は仙台観光アンバサダーでもあり、仙台のことが全国の人々に知られるために活動することに積極的です。羽生選手は、記念品は何がいいかと聞かれると、高価なものより気持ちのこもったものがいいと答えているのだそうです。堤人形も、そんな言葉を聞いた職人さんが、自分用に大事にとっておいた一番の出来の人形を羽生選手に贈ったのだとか」(前出・週刊誌記者)
国民栄誉賞では「皆様と取れた賞」であるとして記念品を辞退した羽生選手。どんな名誉を手にしても変わらぬ謙虚さがまた、人を惹き付けるのだろう。
(芝公子)