テレビ東京が開局55周年の特別ドラマとして制作する「ハラスメントゲーム」が10月15日にスタート。初回視聴率は5.2%で、テレ東のドラマとしてはまずまずの発進となった。様々なハラスメントをテーマにする本作では、主役のコンプライアンス室長を演じる唐沢寿明を筆頭に、滝藤賢一や佐野史郎、高嶋政宏など豪華なキャストが勢ぞろい。ヒロインの広瀬アリスも演技面での評価が高く、テレ東の注力ぶりが伝わってくるようだ。
「唐沢の連続ドラマ主演は2016年10月期の『THE LAST COP』(日本テレビ)以来、2年ぶり。本作では視聴者から『やはり演技が上手い!』と感心する声が多く伝わってきます。そして豪華脇役陣に加えて、人気脚本家・井上由美子氏の初小説を原作とすることで物語のテンポが良く、もはや文句の付け所がないほど。監督の西浦正記氏も『劇場版コード・ブルー -ドクターヘリ緊急救命-』を手掛けるなど実績があり、視聴者からは『テレ東でやるのがもったいない!』という皮肉めいた賞賛まで寄せられているほどです」(テレビ誌のライター)
キー局が本気を出せば、良質なドラマを作れるという見本とも言えるこの「ハラスメントゲーム」。そんな本作が、他局ドラマへのアンチテーゼになっているとの指摘もあるようだ。
「今期は中山美穂『黄昏流星群』や高橋一生『僕らは奇跡でできている』(いずれもフジテレビ系)、有村架純『中学聖日記』(TBS系)などのドラマで視聴率が振るわず、主役の無駄遣いと批判されています。それに加えてこれらの作品ではストーリーそのものに魅力を感じられず、『初回から見る気が失せた』との声も少なくない。ドラマというものはやはりキャストと制作陣の双方がいい仕事をして、ヒットにつながるもの。そんな基本中の基本を、キー局最下位のテレ東が実践しているところに、ドラマさながらの面白さを感じますね」(前出・テレビ誌ライター)
昨今は多くのドラマが回を重ねるごとに視聴率を落としていくパターンが目立っている。そんな風潮を「ハラスメントゲーム」は跳ね返すことができるのか。10月29日放送の第3話には斎藤工がイクメン役でゲスト出演するとのことで、早くも期待が高まっているようだ。
(白根麻子)