同じ“コンサート中止”でも世間の評価は全く違うようだ。
aikoが10月22日、神戸で行った公演中に声が枯れてしまい、歌えなくなったことから公演を中止するという苦渋の決断を下したことが大きく取り上げられている。
デビュー20周年を記念して自身最大・最長の27カ所45公演のホールツアーを開催中のaikoだったが、この日更新したツイッターでは「神戸ライブ、今日は本当にごめんなさい。途中から声が枯れてしまい歌えなくなってしまいました」と謝罪。後日改めて振替公演を行う予定であり、aikoは「延期公演の日にちはすぐ出しますので、今日のライブに来てくださったみなさん、どうかまた観に来てやって下さい」と呼び掛けている。
その後もaikoは「仕事やバイト、学校に育児とみんな大変な中、時間を割いて今日来てくれたのに本当にごめんなさい」とこの日、貴重な時間を割いてライブに来てくれたファンに向かって再び謝罪の言葉を綴っている。
そんなaikoへは「気にすることないよ! 振替公演楽しみにしてます」「あまり自分を責めないでね」「ゆっくり休んで、また元気な姿見せてください」と、激励の言葉が多数届いている。また、ファンではない一般の人からもaikoを擁護する声が上がっているようだ。
「やはり“ライブ中止”繋がりということで沢田研二の騒動と比較して考える人がほとんどのようですね。集客不足を理由にライブを中止して自身のプライドを貫いた沢田に対して、aikoは歌手としての意地ももちろんですが、ファンを第一に考えての決断ですから、世間からは『沢田研二とは違う』『声の不調は仕方ない。ちゃんと謝ってるし、aikoは応援したい』といった声が上がるなど、批判がほとんどであった沢田の一件とは対照的な反応となっています。
ライブが中止になると、チケット代金が返金されたり、振替公演が行われるなどの対応になりますが、遠方から来ているファンにその日の交通費が返ってくるわけではありません。aikoの『仕事やバイト、学校に育児とみんな大変な中、時間を割いて今日来てくれたのに』という言葉からは、そのあたりの事情が痛いほど分かっていることが伝わってきます。沢田にもそこまでの気遣いがあれば、集客不足でのライブ中止など普通決められませんよ」(エンタメ誌ライター)
とはいえ、aikoと沢田のどちらのファンも、その殆どがアーティストの決断に納得できているという点では、ファンでもない人間がああだこうだいう問題でもないだろう。どちらもツアーの真っ只中なだけに、今後の公演でファンが満足するパフォーマンスを見せてほしいものだ。
(権田力也)