ダイエットを目的として食事制限を続けると、筋肉も減ってしまうといわれることがあります。筋肉が衰えることは、たるみや代謝の低下につながるため、できれば避けたいもの。とはいえ、食事を制限したからといって、すぐに筋肉がなくなってしまうものではありません。筋肉の老化の大きな原因は、栄養不足よりむしろ運動不足。食事をちょっと少なくしたくらいで、身体が削られてしまうことはないのです(過度な食事制限の場合を除く)。
ダイエット中の相談で多いのが、「筋力が落ちた」「ぷよぷよになってしまった」という筋力の低下のこと。これは、すぐに体重を減らしたいからと、食事を制限するばかりで運動をしないのが原因。げっそりはしてもキュッと引き締まらないから、ダイエットがうまくいかないと悩んでしまうようです。
ボディラインを引き締めるのも、体内の栄養素をエネルギーに変えて消費するのも、筋肉の役割。筋肉は運動によって鍛えられていきますから、より健康で美しい身体を目指すのであれば、やはり運動を取り入れることが大切なのです。
食事制限でも筋肉は落ちますが、体脂肪だけでなく筋肉を落としてエネルギーに変える状態は、食事を“制限し過ぎた”結果です。過度な食事制限は不調を招きますから、必要な栄養素はしっかり取り入れたうえで、余分な体脂肪を減らすようにしたいですね。
ダイエット中もしっかり摂取したい栄養素は、筋肉のもととなるたんぱく質と代謝を高めるビタミン・ミネラル・食物繊維。体脂肪を燃焼させるエネルギー源となる炭水化物は、少なめにしても制限し過ぎないようにしましょう。
「筋肉が減った気がする」「たるみが気になる」──そんな場合は、食事内容だけでなく運動不足を疑いましょう。体重を減らしてげっそりするのではなく、美しいボディラインに整えたい場合は、筋肉を強化する運動が欠かせないことを忘れないでくださいね。
(美容・健康ライター Nao Kiyota)