普段、何気なく使ってるような言葉の中には、似たような意味のものが複数あります。でも実は、厳密には違うということもあるのです。
例えば、「とても美味しい」と「かなり美味しい」。どちらを使うか迷ったことはありませんか? 「とても」と「かなり」は似ているようで、実は意味が違うのです。三省堂の『大辞林』では、「とても」の意味が「非常に」「たいへん」となっています。一方、「かなり」は「普通に予想されるより数量・程度がはなはだしいさま。相当」となっています。
これだけではなかなか意味が掴みづらいので、デジタル大辞泉(小学館)もみてみましょう。「とても」は「程度のはなはだしいさま。非常に。たいへん。とっても。」となっており、「かなり」は「極端ではないが、並の程度を超えているさま。思ったより以上に。相当。」とあります。このことから、程度は「とても」のほうが大きいことがわかります。「かなり」は極端に程度の外れた状態を指すのではなく、あくまで普通の状態から超えているという意味になります。
相当、並外れて美味しいと言いたい場合は「とても」を使い、まあ普通よりは美味しいなと感じたら、「かなり」を使うのが妥当かもしれません。
こうした言葉を何気なく使っていると、勘違いを生んだり恥ずかしい思いをしたりすることにもなりかねません。今一度、普段使っている言葉の意味を考え、正しく会話できるようにしたいものですね。