12月5日、ビジュアル系エアーバンドを自称する「ゴールデンボンバー」が、過去に配布し廃盤となっている楽曲を“無料公開”した。
「その意図は、ネットオークションで音源のコピーが取引されていることを受け“廃盤音源の価値を無くす”ことです。実際、ネット売買のサイトを覗いてみると、コピー用のCDにシールを貼っただけのものが“レア盤”として、5000円などで取引されています。こうした事態を鑑みて、この英断に踏み切ったようです」(エンタメ誌ライター)
同日のブログでボーカルの鬼龍院翔は「ネットオークション等で僕の昔の音源をコピーして売ったり、もしくはそれをオマケとして付けて落札価格を上げたりするのに使っているのを見て残念な気持ちになっていました。本物の廃盤音源と言いながらおそらくコピーして作ったものも数多くあると思います」「廃盤音源がずっとこのように使われ、本来そこに使われるべきではない対価がコピーし続ける人へ支払われ続けるのは新しい音楽を売っていく僕等にとって如何なものかと思ったので、やれるべきことは『廃盤音源の価値を無くす』ということでした」という思いを綴っている。
「鬼龍院も述べていますが『昔の稚拙な音源を公開するのは恥ずかしくて躊躇っていましたが、そうも言っていられないなと思ったのでこの機会に公開させて頂きました』というのは偽らざる本音のはず。だからこそ、値段を付けて商売するのではなく、それでも聴きたいと思っているファンに向けて愛情を示したのでしょう。以前彼は、握手券を付けずにCDを発売したら、売上が大幅に落ちたことを嘆き、『もし、特典握手券付きの無音CDを売れば、確実に今回の(売上)枚数を上回っていた』と、現状の音楽業界に踏み込んだ発言もしています。ゴールデンボンバーは、演奏こそ“エアー”ですが、いま、最もミュージシャンらしい気概を持ったバンドなのかも知れません」(前出・エンタメ誌ライター)
この勇気ある行動に、ネット上では「ダウンロードさせていただきました」「ファンではなかったけど彼らの音楽を聴いてみようと思う」と、称賛が溢れている。結果として、ゴールデンボンバーにとっても“大きなゲイン”となったようだ。