米国ビルボードとビルボードジャパンは12月7日、2018年のイヤーエンド・チャートを発表した。総合ソング・チャートの「Billboard JAPAN HOT100」では、米津玄師の「Lemon」が堂々の年間1位に君臨。2位にはメガヒットとなったDA PUMPの「U.S.A.」、3位には欅坂46の「ガラスを割れ!」といった定番曲がチャートインした。
一方で8位には人気韓流グループTWICEの「Candy Pop」が、そして9位には俳優・菅田将暉にとって初のドラマ主題歌となる「さよならエレジー」が入るなど、バリエーション豊かな顔ぶれとなっている。ところがこのチャートには、普通なら上位に入ってきそうなアーティストの名前が見当たらないというのだ。音楽ライターが指摘する。
「ベストテンにジャニーズ勢が1組も入っていないのは象徴的ですね。ただジャニーズに関しては昨年もベストテンに姿がなく、2016年もチャートインしたのはSMAPの旧作である『世界に一つだけの花』のみでした。ただそれ以前だと、2015年には嵐の3作品が入っていましたし、2014年は嵐の『GUTS!』が年間1位になるなど、かつては嵐が年間チャートの常連だったのです。それゆえここ2年の年間チャートからは、ジャニーズ勢の凋落ぶりが浮き彫りになっていると言えそうですね」
ちなみにHOT100全体を見渡すと、ジャニーズ勢は12位にチャートインしたKing & Princeの「シンデレラガール」が最上位で、嵐の「夏疾風」は22位と低迷。しかもベスト50圏内にはその2組しかチャートインしておらず、それ以下ではHey!Say!JUMPが51位、NEWSが53位、KinKi Kidsが64位、関ジャニ∞が72位、Kis-My-Ft2が82位という有様なのである。
「HOT100の算定では全国推定売上枚数に加えてダウンロード回数やラジオ放送回数、ルックアップ数、ツイート数、ストリーミング数、YouTubeおよびGYAO!の動画再生回数を合算しています。その点で今年のジャニーズ勢はCDはそこそこ売れていたかもしれませんが、曲名がツイートされたり、CDがパソコンに取り込まれる回数(ルックアップ数)が少なかったと予測できます。結局、楽曲が熱狂的ファンに消費されるだけで終わってしまい、世間に届いてなかったと言い換えてもいいでしょう。今後も、SMAPのようにジャニーズの枠を超えてヒット曲を飛ばすグループが表れないと、チャート上位をにぎわすことは難しいかもしれません」(前出・音楽ライター)
AKB商法と揶揄される46/48グループの楽曲は上位にチャートインしており、実は世間に広く受け入れられていることが分かる。同じアイドルという括りでも、ジャニーズの売り方は内側を向きすぎているのかもしれない。
(金田麻有)