2018年に渋谷すばるが抜けて、関ジャニ∞のボーカルの一翼を担っている錦戸亮の負担が増えた。安田章大、丸山隆平とのトリプルボーカリストとして、グループの歌唱部門を担当する錦戸。18年は念願だったNHK大河ドラマ「西郷どん」(NHK総合)出演の夢を叶え、19年1月期の月9ドラマ「トレース~科捜研の男~」では主役。ここ数年は、歌手として主演俳優として、オファーが絶えない状況が続いている。
躍進の理由は、多くの仕事を経験してきたことにあるようだ。
「錦戸は関ジャニ8(のちの関ジャニ)結成後、NEWSにも抜てきされて、両グループで歌手デビュー。NEWSを脱退する11年までのおよそ8年間、掛け持ちしていました。通常のジャニーズタレントの2倍働いた分、ダンスや歌、台詞を覚えるスピードが格段に速くなり、05~06年にかけてはドラマ、コンサート、ミュージカル、ソロコンサートが重なって、忙しさはピークに。あるミュージカルでは通し稽古にまったく参加できず、DVDを観てすべての動きを把握したそうです」(アイドル誌ライター)
そのミュージカルとは、KinKi Kids・堂本光一の「Endless SHOCK」。ミュージカルの単独主演公演数の日本記録を更新中の同作に、錦戸は05年、今井翼とダブルキャストで出演している。翌06年にも、今井が左足小指の中足を骨折したため代役出演。驚異の暗記力を発揮したのだ。しかし錦戸は、のちに先輩の今井に嫉妬の炎を燃やすことになる。
「『MILLENNIUM SHOCK』ではじまり、『ショー劇・SHOCK』、『Shocking SHOCK』という系譜がある“SHOCK”シリーズは、座長の光一はもちろん、前半期を支えた翼が高く評価され、少年隊で始まったジャニーズの伝統ミュージカル“PLAYZONE”シリーズの座長に就任するきっかけとなりました。今井が座長になったことで、錦戸のダブルキャスト、代役という実績がかき消されてしまった。錦戸はジェラシーを感じたそうです」(芸能ジャーナリスト)
錦戸の演者としての土台を形成したのは、関ジャニとNEWSであることは間違いない。しかし、光一座長と“SHOCK”シリーズで習得したプレッシャーと、今井へのジェラシーも大きなカンフル剤となった。
月9主演俳優・錦戸の通過点にいた今井。メニエール病の再発によって、タッキー&翼は解散、今井はジャニーズ事務所を退所するにいたったが、錦戸にとって忘れられない先輩のひとりであるに違いない。
(北村ともこ)