NHKは12月19日、定例の放送総局長会見の中で、大晦日に行われる「第69回紅白歌合戦」の審査方法の変更に関して発表した。
今回の変更点は、ポイント制の導入。「視聴者審査員」「会場審査員」「ゲスト審査員」の三者がそれぞれ投票を行い、紅白どちらか投票の多かった側に1ポイントが入り、計3ポイントで優勝が争われることになったのだ。
この審査方法変更について、テレビ誌ライターは「一昨年の審査で起きた混乱が、引き金になった」と話す。
「一昨年の紅白歌合戦では、ゲスト審査員が11票(ふるさと審査員の1票を含む)、視聴者投票が2票、会場の観客が2票の計15票を紅白で争う形になりましたが、視聴者と会場の4票はすべて白組と、白組が圧勝するかという雰囲気であったのにも関わらず、審査員投票では紅組が11票中9票を占めた結果、9対6で紅組が優勝するということになったのです」
ネット上では「視聴者おいてけぼり」「視聴者と会場の結果が白組圧勝だったので、最後に投票が行われたゲスト審査員が空気を読んで紅組に投票しすぎたのでは?」と、納得のいっていない感想が殺到した。
この結果を受け、昨年も審査方法が変更された。紅組・白組が1組ずつ行う各対戦ごとに視聴者が投票を行い、会場の観客とゲスト審査員は、紅白の全対戦の終了後にひとり一票で投票し、視聴者の票と合計するというルールに変わった、その結果、視聴者投票では紅組が1431292票、白組が2236339票と白組が紅組を圧倒。会場とゲスト審査員の投票を合計した結果も、紅組1432371票・白組2237644票と、白組の圧勝は変わらなかった。
「昨年は一昨年とは打って変わり、あまりにも視聴者の投票結果にウェイトを置きすぎてしまい、会場での投票が意味のないものになった感があります。今回の変更は、過去2年の投票システムのバランスの悪さを改善し、視聴者・会場の観客・ゲスト審査員の投票結果をバランス良く反映できるシステムになったのではないか」(前出・テレビ誌ライター)
シンプルになったポイント制で紅白の勝敗はすっきりと決まることになり、視聴者もすっきり納得して新年を迎えられそうだ。
(石見剣)