韓国の人気アイドルグループ・KARAの元メンバーで、現在は女優としても活動するク・ハラが12月24日、神奈川県民ホールにて開催されたファンミーティングに登場し、握手イベントなどを精力的にこなした。
ロングブーツを履きこなし、茶髪のロングヘアをなびかせる出で立ちから、“韓国の安室奈美恵”とも謳われるカリスマ的存在のハラだが、多くのファンが待ち構える公の場に立つことは勇気を伴う瞬間だっただろう。
というのもハラは今年の9月、元交際相手への暴行が韓国メディアによって報じられ、アザだらけとなった男性の写真が公開・拡散される事態に。しかし、その後の報道により、元交際相手男性がハラとの性的行為を収めた映像をバラまくと脅迫していたことが発覚すると、状況は一転。“リベンジポルノの被害者”として韓国世論の支持を一斉に受けることとなった。
KARA全盛期には日本の音楽番組からも引っ張りだこだったハラだけに、元交際相手からの“リベンジポルノ騒動”は日本のワイドショーでも大々的に報道され、「情報ライブ ミヤネ屋」(日本テレビ系)では司会の宮根誠司が冗談交じりにハラの映像を視聴したがるような“失言”も飛び出すなど、多方面で話題を呼んだ。
だが、国境を股にかけて活躍する韓国芸能人やK-POPスターによる“大騒動”はハラだけに留まらない。
女優のカン・ウンビは10月、自身のYouTubeチャンネルに「大阪痴漢事件!!」とのタイトルを冠した動画を掲載し、大阪の夜道を歩いている最中に見知らぬ男性から腰を触られ、抱きつかれそうになったと告白。その際、「一緒に酒を飲もうと言って、私は嫌だと言ってるのにずっと追いかけてきた」「その男は40代のようだった。韓国人の40代なら私の顔をほぼ知ってるので、私にそんなことはしない」などと語ったことから、日本のネット上からは“カン・ウンビ? 誰?”“そんなに怖かったならYouTubeじゃなくてなぜ警察に言わない?”との指摘が殺到した。
夜道で嫌がらせの被害に遭ったカン・ウンビは本来被害者であるはずが、このような冷ややかな反応を浴びてしまう背景には、日本と韓国の関係性や、モラルや常識を度外視してあらゆる事象を動画のネタとして配信するYouTuberに対する世間の評価なども要因として考えられるかもしれない。
一方で、ク・ハラやカン・ウンビとは異なり、自発的に“炎上”を狙いに行ったとも解釈できるケースもあった。
人気ヒップホップグループの防弾少年団(以下、BTS)は、2017年に原爆のキノコ雲がデザインされたTシャツを着用していたとして波紋を広げ、ネット上を中心に当該シャツの画像が出回り、連日にわたって“大荒れ状態”に発展。世論の動向を無視できなくなった民放各局も対応に追われ、11月に予定していた「ミュージックステーション」スペシャルへの出演がキャンセルさせられると、年末のNHK紅白歌合戦の出場者リストにも“BTS”の名が並ぶことはなかった。
また、過去にもユダヤ系人権団体を刺激するようなナチスの仮装を披露していたことも発覚し、“原爆Tシャツ”だけに留まらない騒動の広がりを見せ、最終的に所属事務所からの謝罪文が公式サイトに掲載されると、“一応の収束”という形に終わっている。
BTSといえば、アジア圏を飛び越えたワールドワイドな活躍を見せており、アメリカの「ビルボード200」にて、2018年5月にアジア圏出身者として初の1位を獲得。その人気と実力は言わずもがなに盤石であり、今後の活躍が期待されていた中での“原爆Tシャツ騒動”発覚となってしまった。
ク・ハラやカン・ウンビにも言えることだが、人気商売を生業とし、日本のみならず世界における認知度を高めたいのであれば、私生活やプライベートにおける“軽率な振る舞い”、そして、ショービジネスと政治的信念を不用意に絡めてしまうような言動は慎むべきかもしれない。
2019年こそは、実力と功績でワイドショーを独占するK-POPの本来の底力を見せてもらいたいところだ。
(木村慎吾)