百ます計算で知られる陰山英男さんが監修する学習塾、陰山式スコーラ「考える子どもを育てる塾」の塾生を対象に、「果汁が学習に与える効果の検証実験」を行ったそうです。2017年11月・12月の3日間、通常の百ます計算を行うのにかかる時間の平均と、オレンジジュース、お茶、水を飲んでから百ます計算を行うのにかかる時間の平均を比較しました(それぞれ別の日に実施)。
実験の結果、オレンジジュースを飲んだ後は、すべての塾生の計算時間が短縮されたとか。実験前の平均計算時間が133秒のところ、オレンジジュースを飲んだ後の平均計算時間は111秒。20秒以上タイムが縮まっています。ちなみに、お茶の場合は120秒とやや短縮し、水の場合は実験前平均と変わらない結果だったそうです。
陰山さんは、「適量の糖分を最適なタイミングで摂ることが、学習能力の向上につながったと考えられる」と言います。また、甘い果汁は“うれしい”という感情を抱かせやすく、リラックスして集中力がより高まることが期待できるのだとか。そのため、スコーラでは果汁の効果に注目。学習前などに子どもたちが飲めるよう、オレンジジュースを用意することにしたそうです。
陰山さんは経験上、朝ご飯を食べない子どもは授業に集中できないことが多く、それが続くと基礎学力の低下や生活全般の乱れにも繋がると考えているそうです。素早く糖分を摂取できる果汁を「朝食」に加えることで、子どもの1日の集中力をアップさせることにもよい影響を与えるのではないかと語っています。
オレンジジュースなどの果汁が子どもの脳を活性化するのに役立つなら、お母さんの手間もかからないので、集中できない子どもの救世主となるかもしれませんね。
(Nao Kiyota)