あなたの周りに、醤油にこだわりがある人はいませんか? その人は、もしかしたら地方出身者かもしれません。というのも、地方の醤油はそれぞれが個性的で、地方出身者は故郷の味にこだわる傾向があるからです。
ある掲示板では、旦那さんが九州出身で、「故郷の九州醤油でないと満足いかない」という夫にイラッとしているという、妻からの投稿がありました。その九州醤油は値段が高いのですべての料理に使う訳にはいかず、子どもや自分用とは使い分けて調理をしなければならないので面倒なんだそう。確かに、こだわりが強過ぎると困りものですよね。
キッコーマンの資料によると、九州の醤油は甘口なんだそう。大分県の地元の醤油蔵を回ると、「香り関東、味九州」という言葉がよく聞かれたそうです。これは、「香りは関東の醤油がよいが、味は九州の醤油が美味しい」という意味。そういう言葉に囲まれて育てば、その味にこだわるのは必然なのかもしれませんね。
また、味だけではなく、醤油の使い方にも地域差があるようです。京都では、煮物・お吸い物には「淡口醤油」を使う一方、あめ炊き、かけ醤油には「濃口醤油」を使うといったように、メニューや調理法によって使い分けされているなどの特色があるといわれています。関東を含む東日本では濃口一辺倒で、淡口のものは馴染みがないという人も多いかと思います。なので、「醤油を使い分けている」なんて聞くと、ちょっとびっくりしてしまうかもしれませんね。
全国各地の醤油の使い方やこだわりはさまざま。そうした特色を理解し、他人のこだわりには寛容でいたいものです。